reckoning
ついに、人生初の渡米からちょうどぴったり1年が経とうとしています。
- 1年前の2010年5月26日水曜日、午後4時の便で旅立ったのだった。
- とりあえず当初思い描いた最も悪いシナリオのいくつかは発生せずに済んだ。具体的には「行く途中で飛行機事故に遭う」「来て数ヶ月後、あまりのストレスで気が変になり最終的に1年未満で日本に連れ帰られる」など。
- 未来のために書き残しておいた、1年前の旅立ちの日の発言2件を転載。
いよいよ旅立ちの日。さらば、色々なあれこれよ。
http://twitter.com/mbr_br/status/14719016249
6:39 AM May 26th, 2010 webから
成田行きのバスの車内で考える。今回のこの渡米にはいろいろと思うことがあるが、言葉にしにくい。一つだけクリアなのは、これが(人生最大に成りうるかもし れない)大きな賭けであることくらいか。正直あまり勝ち目があるとは思っていないが、勝負無しに真に何かを得ることはできないとも思っている。
http://twitter.com/mbr_br/status/14736014553
11:51 AM May 26th, 2010 Keitai Webから
- 結局「さらば」したもののその後1年近く前ラボの仕事を平行してやっていたし、12月には数日間出勤するはめになるし、また今度の6月には日本の学会で発表するために一時帰国するし、全然さらばではない現実。
- 「人生最大の賭け」という表現は途中『書きすぎた』を経て『あんまり間違ってない』に戻ってきた。来て数ヶ月~半年くらいまでは大袈裟過ぎたと少々恥ずかしく思っていたが、諸事情から徐々に状況が変化して、昨年末から年明け、そして4月末をピークにして『紛れもなく大きな勝負』になってしまった。もちろん、当初想定していた内容(ぼんやりと想像していた、海外ポスドクにありそうな決意と苦悩と戦い的な何か)とは異なるのだけど、具体的ないきさつを話すと大体相手は驚愕するので多分大きな何かであることには違いない。*1
1年経って思うのは、最初のうち自分が個人的な悩みだと思っていたいくつかの事柄は全然個人的ではなく、このInstituteのポスドクにそれなりに共有されている、おそらくこのInstitute特有で、常勤のStaff Scientistにはあまり縁のない、ポスドクにしか感じられない悩みであったらしい、ということだったりします。
- いわゆる万国共通の「次の職どうしよう」問題とは別に、組織の運用形態*2的にポスドクが活動しづらい部分があるため。
- この悩みはポスドクが溢れ返ってる日本だとあまり発生しない気がする。
- ちなみに、キャリア問題は皆それぞれの国の事情があるので意外とネガティブな方向にはならない。まあ日本は先日のNatureの記事にもあるようにワーストケースの筆頭みたいな扱いなので、英語に不自由しているついでにしれっと黙っておくわけですが。だって口を開いたら自虐以外言う事が(ry
その他の小ネタ:
- 同じ建物の日本人同僚に1年も経って今更「えっ東京工業大学って理学部あるの?!」とか冗談抜きに言われる。この同僚は曲がりなりにも関東地方出身で、学部は東北にある旧帝大(先日の震災で多大なダメージを被った)の理学部生物なのに、この言いようはないだろうとさすがに思う。
- 日本は先輩後輩関係が厳しいとよく言われるが、さらに厳しい国も存在するらしい。具体的には韓国とかインドとか。
- アメリカに来てまで持ち越される「同じ大学の先輩後輩」関係。そして後輩に押し付けられる雑用の量が半端ない模様。多分日本語で言うところのパシリ扱い。それが何歳になっても、世界のどこに行っても発生する恐ろしさ。
- そしてふと「…NIHに自分の先輩に当たる人はいるんだろうか?」と疑問に思う。今のところ会った事はない。さすが工業大学(余裕で自虐)。
- とか何とか言ってたらなにやら爆発事故が起きたらしいですが、自分の知る限り前にも似たような事故(火災)があったので「またか」と思っていたら実は今回は結構な被害だったらしいです。
- いかんせんニュースを追えてない感が。
- 東工大爆発まとめがあったので張ってみる。自分が知っていたのは2002年のものだけだったのだけど、2007と2008にもあったとは。東工大すずかけ台キャンパスでまたまた爆発、なぜ事故は減らないのか – b4log
追記:
折角なので大学ネタをさらに追加。
おめでとう! 東京工業大学130周年! | ギズモード・ジャパン
- 自分は1981生まれなので、実は大学とちょうど100歳違いだったりします。
- それ以外にも個人的に、5月26日は入学当初から様々な事情により印象深い日でした(参考:http://d.hatena.ne.jp/mbr/20060524。2000年/2006年の5月26日の2日前の水曜日についての抽象的ないろいろ)。
- で、1年経ったし130周年だしこっそり暴露すると、実は渡米の日を5月26日の水曜日に設定したのは、上記のあれこれを踏まえてのことだったりします。
というわけで(ry