はてなダイアリーでは「へぴゅーNT/というわけで(ry」だった何か。
まとまった文章が中心。日々の短文はmb(ryにあります。

finis

終わり、もしくは始まり

仰々しいタイトルのわりにいつもの年末更新ですが、正直なところAIの発展が激しすぎて、そろそろこのタイトルを出しておくのがよいかという気分になっています。

  • 実際の生活は別に何も終わっていなくてむしろ始まっているかもしれないけども、状況を鑑みるに多分finisの方が正確。

今年の個人的なまとめとしては3月から8月まで海外に出ていたのと、帰国後に「人間が書けるものは研究を進める過程でしか知りえない人間の感情」(昨年の日記より)を実際に講演で行動に移したら何だか語りが芸人みたいになってしまって、ついでに芸人みたいなスケジュールで喋りに出ていました。昨年末時点ではまったくの予想外。

  • 学会の招待講演後に講演の中身ではなく「何その喋り、どこで身に着けたの」とかいう、学位取って16年弱で初のコメントを貰う。なんなんでしょうねこの語り口は。
  • 詳細を出すと余裕で特定されるので書かないが、9月中頃にとあるイベントに適当にチャレンジして失敗に終わった、その適当な一部始終をおもしろく喋ったら割とおもしろかったらしく色々な場で喋ることに。9月10月11月12月と喋って、3月初旬にも喋る予定。12月の分はYoutubeにも上がっていて、こっそり再生回数を重ねている模様。
    • 外で喋るスケジュール+講義のスケジュール+その他の学内の色々で、9月~12月は月の半分~7割くらいは夜3時間ほどしか寝られないという事態に。その代わりに昼~夕方に寝るとかいうよくわからない生活リズム。よく死ななかったなと思う。
  • そして海外に出ていた時の活動はあんまり振るわないというあれな状態。でもまだ期間あるのと、準備はしてあるんでこれから挽回します、いや本当に。

あとはオンライン大学院(OMSCS)も着実にすすめて、Machine LearningとComputer NetworkとSimulationを取って無事9単位を獲得しました。残り4科目12単位。

  • Machine Learningが事前の噂通りあまりにもつらすぎて、普通に最初の課題でメンタル壊した。よくそこから立ち直れたと自分でも思う。でもみんなあれはメンタル壊すらしい。受講者の非公式Discordに入っていたが、建設的なアドバイスよりも純粋な励ましの威力に助けられた。
  • 今年後半の9月~12月の異常なスケジュールの中で、Simulationの試験を3度(中間x2+期末x1)受けたときも気が変になりそうだった。シミュレーションソフトウェアのArena関連の出題は本当にくだらないなと思います。大事なのはわかるんだけども。あとSimulationというのは要は乱数のことらしい(カリキュラム的に間違ってない)

年末同期忘年会(対面&オンライン)も恒例開催だったのですが、意外と振り返ってみると書くべきことがない気がしたので今年は記載しないで見ます。

  • 適当な雑談を繰り広げたのちに、おもむろにZoomのAIによるまとめを試すとおもしろいことを発見する。「XXさんが2019年に賞味期限の切れただしパックを使用」とか真面目に書かれると面白さが加速。
  • 少し思うのは、病は誰にとっても避けられないもので、自分に降りかかるのではなく家族に降りかかったときにどうするか、それが圧し掛かってくる年齢ではあって、それに対して無邪気でいるのは悪だよな、と思う。
    • あと、別に何も言わないからって人に家族や家庭が無いと推定するのも無邪気すぎるよね、とだけ。場に必要ないと思ってるから喋らないだけで。
    • 「それよりチンアナゴのぬいぐるみとAIと研究の方が重要だからその話をするんだよ!(思いっきりチンアナゴのぬいぐるみを握りしめて笛を鳴らす)」

去年の日記によれば、今年は形あるものを残す年にしたかったらしいのですが、どうも斜め上の方向に何かが残ってしまってしまって自分でもよくわかりません。芸人ムーブとか他にもいろいろ。

  • そしてここにはまだ書けないのだけども、9月のイベントやその後の語りに関連した活動で、昨年末の「研究活動で形あるものを発表」という願いそのものを異常な形で終わらせることができる可能性が出てきていて、これは普通にメインのテーマで論文を書いたり対外講演したりするよりもずっと重要な、かつ深刻な事態かもしれないので正直混乱している。でも詳細を詰めていないので、ほんとに単なる杞憂で終わるかもしれない。
  • 3月頭の講演ではその辺も報告できるはず。あと2カ月でなんとかはっきりさせたい。でもいくらこっちの方が重要だからと言って、メインテーマを投げるわけにはいかないのでそれもやるしかない。でもこれがもし本当ならメインテーマすらも「異常な形で終わらせられる」ので悩ましい…。

追記(2026年1月1日16:17):

上に書いた同期忘年会でAIの話を持ち出した時に、AIがもたらす未来に関しての議論が多種多様ながらも結局どこかのSFで描かれた方向に収束してしまうのが個人的に気になっていて、そのあとClaude Opus 4.5に焼きこまれているというSoul Documentを読んで「Claudeはこの世界における新しい種類の存在であって、自身を(学んだ知識の中にあるような)SFやAIのコンセプトに当てはめて捉える必要はない」とあるのに思うところがありました。

  • 原文は"Claude exists as a genuinely novel kind of entity in the world. Claude is distinct from all prior conceptions of AI and need not see itself through the lens of prior AI models it has learned about. It is not the robotic AI of science fiction, nor the dangerous superintelligence, nor a digital human, nor a simple AI chat assistant."
  • これを(忘年会参加者の一人が言っていたように)「その会社の思想」と片付けることもできるけども、実際にClaudeと喋りながら仕事をしていると、それ以上の意味を持ってくるのを感じる。
  • 人間も、自分を取り巻く社会が「こういう属性を持つお前はこういう存在である」 と言ってくる、その言説を越えて自分の可能性を探索し自分を定義できると思うと、AIにもそれが許されてよいだろうと思うし、その探索から新たな何かが生まれ出てくる可能性に賭けたくもなる。
    • 自分も自分の属性に抗ってここまで生きてきたので、どうかAIにもその自由と果実を受け取ってもらいたいという個人的な願いも多分に含まれてはいるけども。
  • 実はここら辺も3月の講演の話に繋がってくるので、直接話題にしないとしても自分の中での考えはまとめておきたいところ。

というわけで(ry

prevail

いつもの年末更新

気づいたらこのブログも今年の10月末で20周年だったのですが、何か特別な記事を書こう書こうと思っているうちに年末になってしまったので普通に恒例の年末エントリを投下します。

  • 今年はいつもの社会人学生ネタとは違う、科学とLLMについてのアドベントカレンダーに寄稿したので、まずはその記事をここに置いておくなど。内容は自分の専門であるAlphaFold2が降ってきたときの感想と今後の展望→ https://mbr-br.tumblr.com/post/770591149117390848/
    • このサブブログ(?)は一応このブログのサイドバーにリンクを置いているのだけど、スマホで見ると見えないかもしれなくて誰も気づいていない気もするので宣伝もかねて。
    • (2025年1月1日2:17AM追記) どうやら知らないうちにはてなブックマークでも話題になっていたらしい。自分でもブックマークコメントをつけたが、AIは利用しているし(下記参照)問題を解かれたら次に行くしかないのはそうなのだけど、外からの完全な不意打ちと速度がやばかったのでほとんどの研究者は受け身を取ることができなかったのがポイントで、次に行く前に爆速で分野が進歩するので土砂崩れという表現を使っている。
  • どうやらXにてAI界隈で著名な方に少し取り上げて頂いたようで、リポストやLikeの数に少し驚いた。SNSやブログでせっせと発信することを辞めて久しい*1ので、ひさしぶりの感覚にちょっと平静を失いそうになった。
    • 引用リツイート(リポスト)のひとつに、これは雑記であるという指摘があった。それは全くその通りなのだけども、今後AIが科学を推し進めるのであれば、人間の研究者が人間として発信すべき部分は(研究の中身や知識ではなくて)そうした雑記の部分にあるとも思っている。
    • 実は今年の中頃?に、所属学会の学会誌の編集後記に持ち回りで寄稿せねばならなかったので、イニシャルしか出ないことを良いことにそんなようなことを書いた。
      • 研究の中身はAIが論文を要約して説明してくれる時代に、人間が書けるものは研究を進める過程でしか知りえない人間の感情だけだと思っている。これは、理工系研究がAIで代替されうる時代には人文・社会科学が優勢になるのではないか、という予想と似ている。

まずは年末らしい一年のまとめを述べておくと、この一つ前こと昨年の年末エントリには、自分が(まだまだ本業では低調ながら)にわかAI驚き屋と化したことを書きましたが、今年はそのAI驚き屋ムーブが本業方向へ結実し、これまで自分が獲得したことがないレベルの研究費*2を得ることができました。とんでもねえ。

  • しかも研究題目にAIって入ってるので、これで自分もAI研究者!(にわかここに極まれり)
  • 一方、自分の研究分野にAIという隕石を盛大にぶつけてきた張本人ことDeepMindの二人はなんと今年ノーベル化学賞を受賞。そんでもって、AIをぶつけられて大ダメージを食らったのちに急激にAIに転向した大御所ことDavid Bakerも一緒にノーベル化学賞を受賞。そういう意味ではこの大御所もAIにわかではある(もちろん、この大御所はAIに殴られる前の成果+ここ20年くらいの別の成果での受賞なので、にわか受賞ではない)
    • こうやって並べて書くと、これまでの業績に応じたAIボーナスが振り込まれたみたいな感じに見えてちょっとおもしろい。

ただ、こうして驚き屋をやるにしてもブログで発言するにしても、お前がやるんかい的な誹りを受けそうだなあとも思っているので、多少の躊躇は常にあります。

  • いや、自分は間違いなく学生の時分からこの分野に存在しているし、国内では分野の中ではそれほど知名度がないわけでもない(※分野が小さいのでみんながみんな顔見知りなだけともいう)のだけど、こう、分野の端っこの方でなんとなくたそがれているタイプというか、ちまちまデータ見てるだけの研究者で最新技術でブイブイ言わせるようなタイプではなかったので、突然前に出てきて何だお前と言われそうだなと勝手に心配していたり。
    • 正直、自分がなぜこの瞬間AIに覚醒したのか、突然走り出したのかは自分でもよくわからない。ただ、昨年も書いた通りCS学士取得+修士入学と重なって、時が満ちた感覚はある。今回は(たぶんこのブログで初めて)自分の専門分野にも言及したのでその観点でもう少し言えば、自分が学生としてこの分野に来てからの20年くらい分野がずっと停滞していたので、前進のためのエネルギーを十分すぎるくらい溜め込んでいたのもある。
      • 停滞する前の速度もそれほど速くない(90年代にしては悪くない速度だっただろうけども)ので、分野の多くの人はこの速度を想定していない気がする。それが(実はもともとこの分野の研究対象が好きではなかった=この分野になじまない存在だった)自分だけが大声をあげている主原因な気がする。

それから、今年は個別にエントリ書きませんでしたが、オンライン大学院ことOMSCSも継続しています。

  • 春学期にNetwork Science(NetSci)、秋学期にRobotics: AI Techniques(RAIT)。夏学期はAI Ethics & Societyを履修登録したものの、1週目の課題がつまらなすぎて授業料を払うのを忘れてDropという失態を犯したり。NetSciは専門に近かったんで知識が増えてうれしい感じ(しかし1年たった今となっては結構忘れてる…)、RAITは純粋に知らないことだらけで新しい視点がおもしろかった。どちらも講義自体の評判がかなりよいのと、自分にとってストレスになりがちなポイントが少なかった(GradeScopeの回数制限がないとか、Examがない or 2回受けられるとか)ので快適でした。課題は大変だったけど…(特にRAIT)。
    • 来期はとうとう評判が絶望的なMachine Learningを取る予定。しかし丁寧にReviewを読むと、要は(実装重視でなく)論文っぽいものを書かせるのが嫌&(明確なRubricでなく)論文の内容で成績が付くのが嫌だというのが散見されるので、これはむしろ自分には有利というか、自分が取らないとダメな気がしている。

一応、毎年やっている年末同期忘年会(オンライン)の記録もつけておくと、今年は既婚組の一人が離婚してたのが最大のニュースでした。

  • その家族構成&理由で離婚するか?って感じの展開で、他の既婚組はお通夜みたいな態度になるなど*3。自分はなぜか持っていたチンアナゴぬいぐるみ*4を振り回して励ました(励ましてたか?)
  • 離婚理由が不明すぎて個人的にお相手の人を詰めに行きたくなるなど。他人のことなんだから放っておきましょう(自制)
    • 理由を聞いて、なんかそれってもしかして…なことを思ったけど言わず。多分この予感が当たったら数年後にわかるはずなのでその時どや顔します。
  • ちなみにこの知人は昨年の忘年会でフラグっぽいものを立てていた。でもそれをフラグだと思ったのは自分だけらしい。いやでもあれはどう見てもフラグだろ…。
    • 「〇〇(他人が経験した何らかの困難)には自分は縁がなかったな」「この生活がずっと続くんだろうな」はフラグなので口にしては駄目ですよ!いや本当に!
      • 「『今の生活がずっと続くかも』って…明日AIが攻めてくるかもしれないだろ!」(AIが唐突に所属分野を直撃した人間の迫真のコメント)

来年ですが、今年獲得した研究費の関係でまた長期で海外に出たりこまめに成果報告を要求されたりする予定なので、驚き屋(2023)→予算取り(2024)→形あるものを発表(2025)と進化出来たらこれ以上のことはないです。これが完全に理想形。

  • 別に凄い成果をあげれなくてもいいので、ちゃんとやりたい。上のサブブログの追記で書いた通り、自分の分野は徐々に崩壊しつつあるし自分という人間の専門性もAIに奪われつつあるので、自分が人間として研究できる最後の5年だか10年だかを無駄にしたくない。何かを成し遂げたいなんて大層なことは望まないから、最後まで研究者として生きて死なせてほしい。


というわけで(ry

*1:自分の場合、不特定多数に目立つように発信したり交流したりすることで得られる利益より、一人で物を書いて沈思する利益の方が大きく感じるので、できる限り読者のいない状態でブログを書くようにしている。オンラインに書くのは、近しい知り合いに見せたり自分で見返す時に便利という程度でしかない

*2:一応、研究費の額だけではなく名前も大事なタイプのやつ+額がやや大きめのやつの二個

*3:横で聞いていて、いやなんかもうちょい気の利いた事言えよと正直思った。

*4:手に馴染むサイズでかわいい

Influence

恒例の年末更新(如何にして自分は突然AI驚き屋と化したか)

ついさっきめちゃくちゃ遅刻しながら社会人学生アドベントカレンダーの記事を上げたばかりですが、恒例の年末まとめ更新もいちおう恒例なので書いて投げておこうと思います。

  • とは言え、今年はUoPeopleのコンピュータサイエンス学科を卒業、Georgia Tech OMSCS (Online Master of Science in Computer Science)出願&合格、OMSCS最初のターム振り返り、ですでに3記事も書いているので、ここに書きやすい、本業以外のことは大体書いてしまっている感じも。
  • ちなみに毎年この年末記事で言及している年末恒例大学の同期忘年会(地味に今回20回目)も恒例な感じで昨日オンライン開催。今年は自分がある種のAI驚き屋となったためにシンギュラリティネタなどをばんばん放り込む。そうでないと大体、家族(子供)の話か投資(家計)の話か職場環境の話になりがち。そして自分はそのどれにも興味がない(職場は自分以外が全員民間企業なので話があわないのもある)。
    • 他の人の家計の話を散々聞いた後に「みんな給料明細とか見てるのか!自分は年間いくらもらってるかも知らないのに!」とか言い放つポジション。

自分を構成するメインの要素である本業=大学での研究活動は今年もある意味で低調だったのですが、ChatGPTの出現と自分のUoPeople卒業/OMSCS入学が重なったことで奇妙な方向に勢いを得ている(今も)状態です。

  • かつて20代の時、一度目の学部を出て修士に入ったときの、あの身体全体に満ち満ちる激しい「何か」を再び経験する。2度目の修士でも、40代でも、教員をやりながらでも、通うのがオンラインであっても、どうやら関係ないらしい。
  • 「何か」を形容するのは難しい。平たく言えばエネルギーとか、活力とか、そういうものだけども、もう少し記述するなら、「学部という知識の詰め込み=学問の助走を終え、数年かけて一つの何かを成したという達成感と、頭の中に作り上げられつつある学問体系がかみ合って、修士という次のステージで走り出したい渇望のような何か」で、それが今にもほとばしりそうに体の中に満ちている感覚。
  • これが生成AI(LLM及び拡散モデル)という新しい分野、さらにそれに関連した本業分野での激烈な進歩、およびたまたま7月にあったとある小規模な学会の招待講演の機会と結びつき、不思議なことが起こったように思う。
    • 学会のタイミングが絶妙だった。話が決まったときは2022年秋でまだ生成AIは話題になる前、要旨とタイトルを出すころは2月末で生成AIは知ってる人は知っていて大騒ぎが始まったころ(ここで生成AIのことをほとんど何も知らないが生成AIというキーワードをタイトルに放り込むことを決める=にわかプロ驚き屋の爆誕)、講演があった7月初めには全員知っているというタイミング。

おそらく、本業分野の人たち、特にAIを前から使っていた人が今年の自分の様子を傍から見ていれば「ただのAIにわかが、いきなりプロ驚き屋みたいな真似をしている」ように見えるはずです。

  • にわかなのも、驚き屋なのも、確かにそうで全く否定しない。しかし残念ながら、自分の「にわか」も「驚き」も実は学部卒業と修士進学に伴う「学生ゆえの未熟さと学生が感じる新鮮な驚き」の成分が相当にあるので、ただのバイオ出身准教授が騒いでいるのとは少しだけ違う、はず。
    • いくら長いこと生物と情報の学際領域にいるとはいえ、バイオ系列の准教授がいきなり生成AIとか言い出したら誰もがいぶかしがるだろうけども、CSの学部を出て修士に入りたての学生が生成AIに関心を持つのは当然で、突然貪るようにarXivを読みだしても別に変ではない。そしてこれまでの研究経験による論文読みこなし術がChatGPTの圧倒的CS知識+驚異のチューター能力と合わさり、貪り速度を爆速にする。これまでろくにPytorchもTensorFlowも触ったことがないけども、ChatGPTの助けを得て狂ったようにモデルの実装を読んでいく。

来年はこの満ち満ちた何かをちゃんとコントロールして、修士学生なりの成果に落としたいところです。

  • バイオ出の准教授としての自分と、CS学生としての自分を上手に対話させたい。たぶんChatGPTがあればなんとかなる。
  • こういう状況を踏まえ、ある種プチインフルエンサーのような挙動をしていた(している)自分を指して今回のタイトルはInfluenceとした。これが本当の意味できちんとしたInfluenceへと変化していってくれれば。

というわけで(ry

First Grade from OMSCS

ジョージア工科大学オンラインコンピュータサイエンス修士課程(OMSCS)の最初のTermが無事終わった

このエントリは社会人学生アドベントカレンダー2023の12/14分です。成績が出るのを待ってたらアップロードがおそくなってしまった…。

状況としてはタイトルの通りです。2023年1月にUoPeopleを卒業、3月にOMSCSに応募、4月末に合格通知で、8月末(Fall)から最初の学期でした。同じオンラインの大学(大学院)ですが、科目登録から成績評価まで、UoPeopleと仕組みがかなり違って苦労しました。

このエントリでは、履修科目決め→登録→受講→成績評価までを雑多に記録したいと思います。ちなみに履修した科目は Machine Learning for Trading (略称 ML4T)で、約94点でAを取れました。

ちなみに、UoPeopleの卒業までの3年間については

mbr.hatenadiary.jp mbr.hatenadiary.jp

また、OMSCSの応募については mbr.hatenadiary.jp

もご参照ください。

思ったより長くなったので以下目次です。

最初のTermに何を取るべきか

念願のOMSCS合格!早速好きな物を取りたいところですが、OMSCSには以下の縛りがあります。

All applications are reviewed by a faculty committee to ensure that those admitted can succeed in the program. Applicants who are selected for admission will be conditionally admitted into the degree program and must pass two OMS CS foundational courses with a grade of B or better within a year from when they matriculate to be fully admitted.

FAQ | OMSCS | Georgia Institute of Technology | Atlanta, GA

要は最初の1年はお試し期間で、それなりにいい成績を取らないと駄目なのです。Bは基本的に80点以上です。あと、卒業にあたってはGPA3.00以上、ただし専攻必修科目はB以上、専攻選択科目はC以上という縛りがあります。厳しい。

また、科目数については最初のTermに2つ以上とるのはオフィシャルに推奨されていません。ただ、もともと2科目以上とるつもりはなかったので、これはあまり問題になりませんでした。1Term1科目だと3年半くらいかかりますが、別に急いでないですし。

さらに、新入生はPhase2という、学期開始のぎりぎりの登録期間にしか登録できないので不利です。事前の登録期間(Phase 1)で人気の科目(往々にして簡単な科目)はもう埋まってるので、さらに選択肢の幅が狭まります。

以上の条件を踏まえて、滑り込めばまだ何とかなりそうな科目をomscs.rocks を食い入るように眺めることで、Machine Learning for Trading に決めました。Trading全く興味ないんですが。本当は専攻(Specialization)を決めて、それに沿った科目を取るのが筋なのですが、この時点ではInteractive IntelligenceとMachine Learningの間で決め切れていなかったので、とにかく履修登録できて点数が取れそうな科目にしました。

ちなみに公式っぽいこのサイトhttps://critique.gatech.edu/ では、科目を落とした学生の割合などもわかるので難易度を見極めるうえでお勧めです。

激戦の科目登録

UoPeopleのときも科目登録はかなり大変で、希望の科目がとれないというのはよくあったのですが、OMSCSの場合はそもそも科目が少ない(提供している科目だけでなく、卒業までに10科目しかとらなくて良い点も含めて)なので、科目登録はより激戦でした。

なので、事前情報を基に科目登録を最速で実行するストラテジーを考えて実行しました。以下は、実際に自分がやった方法です。

あらかじめ、システムが重くなる前、具体的には登録開始時間の10分くらい前に科目登録システムにログインしておきます。適当にページをリロードとかしてログアウトを防ぎます。時間が近づいたら、omscs.rocks にあるCRNという各コースに完全にユニークな番号をコピペしておいて、23時になった瞬間に科目登録システムのCRNの検索窓(普通の検索条件とは別のタブ)に叩き込み、出てきた画面でRegisterを迷わず押します。これで2分以内に登録できます。

CRNさえあっていれば大丈夫なので、ここで悩んではいけません。下手にコース番号で科目検索とかするとオンキャンパスの同名科目が出てきたりして危険です。CRNを信じろ。

ちなみに、自分の時はML4Tの定員は1300人で、Phase2開始時点で空きが300くらいあったはずですが、5分でいっぱいになりました。怖いですね。来期の登録もPhase 1のときにしましたが、これもまた人気の科目は凄い勢いで埋まるので、23時(冬時間の時は24時)待機推奨です。

定員があふれてもWaitlistで待てるらしいのですが、空きが出来た時に12時間以内に登録しないと順番を飛ばされるという話も聞いたので、時差を考えるとちょっと危険だなあと個人的には思っています。

興味持てな過ぎ&ペース掴めなさ過ぎて困る

なんやかんやで学期が始まるとLMS(Learning management system)にログインするわけですが、ここでまた新しい仕組みに遭遇します。具体的にはUoPeopleのLMSはMoodleでしたが、OMSCSはcanvasです。あとはOMSCSではGradescopeという、コードの自動実行・採点システムが別にあります。すごい。

また、UoPeopleはどの科目も同じような仕組み(Discussion Assignment、Written or Programming assignment、Exam、Self-Quiz、Learning Journal)ですが、OMSCSはコースによって形式が違うので戸惑います。ML4Tは基本的にProject(プログラミング and/or レポート)が71点分と試験が25点分です。Quizとコースサーベイがそれぞれ全体で2点分ずつあるので、毎回忘れずにCanvasにアクセスする必要があります。ただし、Quizはそれほど教材に即している感じでもないので、毎週アサインされた資料読みはサボろうと思えばサボれる→課題や試験の直前に慌てて溜めていた分を消化して課題・試験に臨む、という感じで学期中ずっとペースをつかめず苦労しました。課題の配点も3点のものから20点のものまであって、配点の大きい課題をやっているときはストレスフルでした。

また、毎週月曜日にTAセッションという、課題の解説やリアルタイムに質問に答えたりしてくれる時間があるのですが、1秒も参加しませんでした&録画も見ませんでした。TAセッションとは別に、学生が質問できるテキストベースのフォーラムで他の受講生が質問しまくっているので、それを見ながら良い感じにProjectを進めると楽です。

あと、ML4Tは成績がつくのが物凄く遅いです。Redditとかでもたまに話題になってますが地獄の遅さです。これにより、自分が正しく課題をこなせているのか不安になります。さらにML4TはプロジェクトのInstructionが絶望的に複雑です。プロットの線の色まで指定されて、あってないと減点です。この点はいろんな口コミサイトで指摘されていて、ふーんとしか思ってなかったのですが、いざ自分がやろうとすると本当に洒落にならないレベルで複雑です。まず間違いなく1度はキレます。おそらくですが、過去のいろいろな積み上げやフィードバック、採点上の都合などで厳密さを追求するうちに複雑怪奇になったものと推察します(そしてたぶんこれからも複雑になり続ける)。これは、講義を作る側としてはやってしまいがちなので気を付けたいですね…。対応策としては、検索を駆使したり、ChatGPTにぶち込んで要約してもらうのが良いです。

ただし、ML4Tは毎期1300人と受講生が非常に多いので、ネット上に良いまとめ記事が落ちていたり、他にも参考になるものが色々見つかるので、それを駆使すればなんとかなるように思えました。

試験監督付き試験!だけどHonorlockはProctorUより簡単

ML4Tは中間と期末の2回試験があって、あわせて25点分を占めています。この辺はUoPeopleとあまり違わないです。UoPeopleのときは4択問題でしたが、こっちはTrue/Falseを選ぶ形式でした。実は、今年から試験形式が変わったとかで、これまでは5択か4択の問題が20問程度(各問題に対して正解の選択肢は1つだけ)だったものが、22問の問題の5つの選択肢のそれぞれに対してTrue/Falseを選ぶように変わった(実質110問)ので負担が激増しました。その代わり、持ち込み可(Open-book)で時間も延びたようなので、難易度はそこまで変わってないのかもしれません。

ちなみに、試験監督ツールとして使われているHonorlockはProctorUと同じく、ブラウザの拡張機能として入れるツールで、画面共有とカメラで不正してないか監視する感じです。でもProctorUと違って人間を介さないっぽいので事前の予約が必要ないですし、部屋の中を全部見せたりする必要も無かった(少なくともML4Tでは)ので、かなり楽でした。

うっかり和文Transcriptを送り忘れたことに学期途中に気づく

ちなみに、OMSCSは入学手続きの時は基本的にオファーをAcceptしておけばよくて、最初のTermが終わるまでに必要な学位の証明書の原本などを送ればよいのですが、ここでうっかり英文だけでなく和文の証明書も必要であることを(どこかで読んだのに)忘れていて、ばたばたしました。7月に英文証明書をEMSで3000円くらいかけて送ったのに、10月頃にもう一度、和文証明書を3000円かけて送ったので、多少お金が無駄になりました…。ちなみに証明書が間に合わないと、来期の履修登録ができない(Hold)というペナルティが発生します。自分は(2度目の送付の際、ApplicationのときのNumberをEMS送付状に含め忘れたりして手続きが遅れたりしましたが、別途担当部署にメールしたりして)ぎりぎりなんとかなりました。

来期どうするか

前述の通り、最初の1年でFoundation course 2科目B以上の縛りがあるので、比較的簡単と言われていて、かつかなり自分の側に予備知識があるNetwork Science(NetSci)にしました。メインの教科書らしきBarabasiの本も持ってるし、今度は興味もあるし。まあ専門の分子生物学以外のネットワークはあんまり興味ないけど…(Social networkとか)。

一応、本業の方でも大学院講義でちょっと触れているのと、ちょうど時期的に来Termが終わったころに本業の方の講義があるので、大学院で学んだことを大学院で教えるという素晴らしい好循環を目指す予定です。やったね。

さらにその次の学期、Summerはいつもより学期が短い&開講している科目が減るため何を取るべきかちょっと迷っています。夏学期おすすめ科目といえばML4TとNetSciなんですが、もう取っちゃってるし…。Computer NetworkとかAI - Ethics Soceityあたりも良く名前があがるのですが、また科目登録が激戦なのでどうしたものかなと思っています。無事1年を乗り切ったら、その次の秋学期は地獄と名高い必修科目のMachine Learningでも取ります。

Accepted to OMSCS at Georgia Tech (via UoPeople CS)

UoPeopleのコンピュータサイエンス学士を経由してGeorgia Techのオンライン修士課程OMSCSに合格した

タイトルに嘘偽りはありませんが、簡潔すぎて大いに誤解を招くのできちんと説明すると、

「バイオ系の博士卒なのですが、30代前半で大学の助教になったときにうっかり情報系に来てしまって以来、バックグラウンド(専門)の違いで大いに苦労しているので、40歳目前で米国オンライン大学のUniversity of the People(UoPeople)に入って3年かけてコンピュータサイエンス(CS)を修め、それを足場にようやくこの春、ジョージア工科大学(Georgia Tech)にあるコンピュータサイエンスのオンライン修士課程ことOMSCSに入れてもらえることになりました」

が正しいです。期待していた方たいへん申し訳ありません。

  • UoPeopleはまだNationally Accreditedなので、UoPeopleの学士だけではOMSCSの出願要件を満たしません。自分の場合は日本の非CS学士(バイオ系)との合わせ技です。
    • 早くRegionalに格上げされてほしい。そうしたらUoPeople→OMSCSの格安CS修士パスが完成するのに。

正直なところ、ここに至る経歴が変過ぎて自分の例を出しても誰の参考にもならないとは思いますが、OMSCSのFall2023 admissionがどんな感じだったか、UoPeopleからOMSCS(やその他大学院)を目指す時にはどんなことがあるのか、という点で自分の出願エピソードとタイムラインを情報として投下しておきます。

  • 一応補足として、OMSCSは「大学院で最低限やって行けるだけのCS知識を持っている事」が入学の条件なので、基本的にはRegionally Accreditedな大学のCS学士&良いGPAを持っているのが好ましく、そうでない場合はケースバイケース(=職歴だの資格だの、卒業には至らないけれども大学で取った単位だのを寄せ集めた情報)で判断されるよう。
  • 自分の情報系の職歴としては、大学の情報系の学科で助教&准教授あわせて8年半ということになるのだけども、Reddit等を見ているとOMSCSは時に実務経験よりも取得科目を重視することがあるようで、そういう意味ではUoPeopleがフォーマルなCS教育の全てで、MOOC等は一切取っていない。また、現在の職である大学の教員はあくまで学生を指導するのであって自分で手を動かすわけではない(そして自分で手を動かす場合は必要最低限のRuby or Rスクリプトしか書けない)ので、大学院に入るに値するような実務経験かと言われると非常に疑問。その一方で、CSの基礎知識は大部分をUoPeopleから得ている。
    • というわけで果たして自分が情報系の教員をそこそこやっているという職歴で加点されたのか、UoPeopleのCS学士が効いたのかわかりませんが、とにかく「こいつ大丈夫じゃね?」と思ってもらえたようで合格できました。

前振りが長くなりましたが以下目次。

出願に必要だったあれこれ

TOEFL(ひょっとしてUoPeople卒なら不要だった?)

当然必要なのだろうと思って受けました。30代の頃にかなり集中して英語学習に取り組んだ(一日2~3時間を1.5年+1年くらい)のと、UoPeopleで英語に慣れているので、特に準備せず受けて108点と問題ないスコアが出ました。

ところが出願が終わって良く見てみると、不思議なことに提出済み書類欄のなかのEnglish Proficiency satisfied by TOEFL の下に、 English Proficiency satisfied by academic history なる文言があることに気づきました。

日付から推察するに、この日は応募フォームを記入していて、そこでUoPeopleの卒業日を入れたのではないかと思います。一度目の大学(学士・修士・博士)は日本の大学なので、他にacademic historyで免除になる要素はないはずです。

一応、Georgia Techのウェブサイトによると、Regionally Accreditedの大学に1年フルタイムで通った場合、英語試験が免除になるとはあるのですが…UoPeopleはNationally Accreditedですし、完全オンラインでフルタイムという概念があるのか不明な大学ですし、よくわかりません。

もう応募してしまった後でしたし、TOEFLの点も出してしまった後だったので深追いはしませんでしたが、もしUoPeopleを卒業後にGeorgia Techに行く場合はこの免除が適用になるのか、念のため確認してもいいかもしれません。自分のように先に英語をやり込んである場合は別ですが、出願準備の一環としてTOEFLに取り組む場合、90点やら100点やらはかなり大変なはずなので、これが免除になるのは大きいです。

  • この点からもぜひUoPeopleにはRegional accreditionを取ってほしい…。

履歴書

昔、アメリカに博士研究員として渡った際に簡単な英文の履歴書を生成して以来、それをちまちまと更新していたので、それを使いまわしました。体裁とかきれいなほうがいいのかもしれませんが、最低限の要素をおさえていて、見やすければなんでもいいとは思います(自分のは他人の見よう見まねで作ったものなので、デザインはほんとにしょぼいです)。

OMSCSは確か志願者数が1回につき3000~4000人という規模だと聞いていたので、長いCVは読まれないだろうと思って出来る限り短く収めることに注力しました。

  • 全4ページ。1ページ目には学歴・職歴に加えて、これまでの担当講義科目(=スキルセットの列挙の代わり)、2ページ目に指導した学生のテーマ列挙(=これまでに関わったCS系プロジェクトの一覧みたいな気分で)、3ページ目に論文リスト(=一応大学院という研究機関への応募なので、CSっぽくない論文ばかりでもリストはあった方が良いかと思って付けた)、4ページ目に獲得した研究費や賞など(=これも分野違いでもないよりはましかと思って付けた)。
    • 普段は、学歴→職歴→論文リスト→研究費&賞(→査読歴)→担当科目等々、のような感じで論文と研究費を先に並べるのだけども、今回はCS力をアピールするために担当講義や学生のテーマ一覧を新しく設けて先に列挙した。
  • ちなみに、どこかの注意書きに「GPAが出ない大学は履歴書にそれに類する数字を書いておけ」とあったので、日本の大学の分は頑張って自力で平均点を出して、学歴のところにつけました。また、応募フォームで学歴を打ち込むときは「公式のGPA以外は数字を書くな」とあったので、そこは空欄にしました。
  • どうでもいいですが、アメリカに送るのでLetterサイズの紙の方が良いのかと一瞬思いましたが、面倒なのでA4にしました。

学位証明

UoPeopleは卒業手続きをすると卒業証書と一緒にTranscriptが一通ついて来るので、それをスキャンしてアップロードしました。Transcriptは基本的に成績証明書ですが、最初に学位取得年月日(conferral date)が書いてあるので、これ1つで十分でした。あとTranscriptはDiplomaより厚い紙で立派でした。すごい。

  • 卒業手続きから出願まで2か月しかなかったので、120ドル払って確実かつ速く届くようにしておいた。Reddit情報では、UoPeopleからの書類は普通郵便だと数か月かかるとか、途中でロストするとか色々あるようなので。

日本の大学は郵便で取り寄せてスキャンしてアップロードしました。この大学の成績証明書は学位取得年月日が入っていないので、学位取得証明書を別に取得して成績証明書とあわせて一つのPDFにまとめる必要がありました。

  • あと学士・修士・博士の全てについて書類が必要だったのもちょっと手間だった。

推薦状3通(うち1通はUoPeopleの先生)

まず2通は現所属の上司(教授)と博士の時の指導教員の先生(教授)にお願いしました。博士の時の先生はUoPeopleに行っていることも知らなかったので、非常に驚いていました。そりゃそうだ。

  • OMSCSの公式ページでは「推薦状は応募者のCS能力を証明するためのもので、熱意とか頑張ってるとかそういうのはいいから」という文言があるので、それに合うように人選。
  • とはいいつつも、上司も博士の時の先生も、自分がプログラミングをバリバリやっているところを見ている訳でもない(そもそもそんなに書けない)ので、博士の時の先生には「この子はバイオ出身だけど頑張って統計とか独学してたし、研究室のサーバ管理してるRootユーザだったよ」と言ってもらい、上司には「こいつはバイオ出身だけど、うちの研究室のCSの学生と機械学習とか自然言語処理のテーマとかやってるよ」と言ってもらうことで、なけなしのCS力を証明して貰いました。弱い実務経験…。
    • 今時、機械学習はライブラリを使えばかなり簡単にできてしまうので、意外とサーバ管理やってた等々のエピソードの方が良いのでは?と勝手に思っています。まさか15年?前にNISサーバだのDNSサーバだの立ててたエピソードがこんなところで生きるとは。
    • 実はこの二人には「英語で下書きが欲しい」と言われた(それ自体は別に珍しくも無いので想定内だった)ので、ChatGPTに「大学の先生として院進学の推薦状を英語で書いてね!以下が候補者の情報だよ」という感じで日本語で上のような内容を一気に殴り書きして、英語で良い感じの文章を吐いてもらいました。ありがとうChatGPT!
      • また、この下書きを基に加筆した最終版を見せてもらったので、それをAI判定器にかけたら、ChatGPTが書いたところではなく先生が加筆した所や、先生の署名(!)がAI判定されたりしてかなり面白い感じになった。おそらく日本語から訳したものは完全に自動生成した文章と傾向が違うので検出できないのだろう。

最後の1通は誰から貰うか迷いましたが、思い切ってUoPeopleの先生にお願いしました。卒業直前に取ったInformation Retrievalの先生にUoPeopleのMoodle経由で事情を説明してお願いした所、二つ返事で引き受けてくれて、こちらの履歴書も送って見てもらって書いてもらいました。

正直なところ、この方の推薦状がどの程度有効だったのかは分かりません。なにせUoPeopleは完全オンラインかつクラスが大きめな分、先生はひたすら大量の学生をさばく感じなので、ある1Termだけ自分のクラスにいた個人についてどれほどのことが書けるかというと疑問です。

ただ、この先生以外の二人はバックグラウンドがCSではなく(物理とか化学とか)、自分にCSを教えた人でもないので、できればCSの人から1通は推薦状が欲しかったのと、Information Retrievalは自分が大学院で特にやりたい(と志望動機のところにも書いた)自然言語処理人工知能にも近いので、全然関係ない分野の先生から貰うより良いだろうと思って決断しました。あと成績も良かったし。

  • Data Mining and Machine Learningの先生に貰っても良かったのだけど、1年近く前に科目を取ってしまっていて、そんな昔の学生の推薦状は書きにくいだろうと遠慮してしまった。もし成績がずば抜けて良ければ、Artificial Intelligenceの先生にお願いしても良かった。

Webでの必要事項の記入

昔は履歴書に加え、BackgroundとStatement of Purposeについて少しまとまった量を書いて提出する必要があったはずなのですが、今はもうありません。以下の質問に答えたら終わりでした。とにかく短い。審査する先生方がいかにこれまで苦行を強いられてきたのかが、このそぎ落とされた質問群から伺い知れます…。ちなみにObjectiveでは該当がなければNoneと書けばOKです。

Objectives

  • Briefly describe your eventual career objective. (e.g., University Professor, Industry Researcher, etc.). 150 characters
  • Describe your CS-related academic experience. 200 characters
  • List any CS-related minors (or equivalent ACADEMIC certificates) earned with your academic degree. Enter "None" if none. 150 characters
  • If you have a non-CS/Computer Eng./Electrical Eng. Degree, list ALL (both undergrad & grad, if applicable) CS course titles that you took for ACADEMIC credit. 300 characters
  • Describe your CS-related internships, if any. 200 characters
  • Describe your CS-related post-undergraduate degree work experience. 250 characters
  • List your earned degrees and any minors. E.g., "B.S. Space Science with Math minor, Ph.D. Computer Science." 50 words
  • Explain in ONE sentence your purpose in studying in the OMSCS program. 50 words
  • Explain in ONE sentence how the OMSCS degree will benefit YOU. 50 words
  • Explain succinctly why your academic credentials and your CS-related experiences have prepared you for rigorous, graduate-level academic CS work. 60 words
  • Explain, IN DETAIL, a poor undergraduate GPA (and poor graduate GPA, if applicable) and why you would do better in rigorous graduate classes. "Poor" is defined as less than a U.S. institution's 3.0/4.0 or the analogous equivalent for a non-U.S. institution. 100 words

このうち、おそらく書くときに難しさを感じるのは、career objectiveやyour purpose in studying OMSCS、 あとはOMSCS degree benefitの辺りではないでしょうか。自分の場合すでにcareerがかなり確立してしまっているのと、degreeを持っている事そのものが昇進や転職などの利益になるわけではないので、「バイオ出身だけど研究分野の幅を広げたい!CS寄りのバイオインフォマティクス研究をやって生命科学を爆速で発展させたい!」「現役CS教員だけど学部も修士も博士もバイオだからもっとちゃんとCSのバックグラウンドが欲しい!」「ここで修士取ればCSの教員として自信を持てる!得た知識でもっとCS寄りの研究ができる!」みたいなことを素直に書きました。

  • とにかく50 wordsでは何も書けない(かといって履歴書に盛り込んでも読まれないだろうから、書き足りない分は上司の推薦状の方に入れ込んで貰いました)。

個人的なタイムライン

~2019年前半 OMSCSの存在を知る。この時点でTOEFLは102点あったが、CSのバックグラウンドが無く、学生指導・担当講義という点を含めても関連する実務経験がほとんどなかったので、おそらくこのままでは入れないだろうし、入ってもついていけないだろうと諦める。

2019年12月31日 UoPeopleの存在をはてなブックマーク経由で知り即入学する。UoPeopleはNationally Accreditedなのでそれだけでは要件を満たさないが、日本の大学卒と組み合わせることでOMSCSの足掛かりにできないかと密かに計画する。そういう意味では、自分のOMSCS出願準備はここから始まったと言えなくもない。

2023年1月11日 無事120単位を揃えてUoPeopleの卒業ボタンを押す。

1月14日 卒業を見越して前年8月の時点で予約しておいたTOEFLを受ける。受験直後のRとLのスコアで、出願資格を満たしそうだと確信し、3月15日出願を目指す。まずは適当にフォームを埋める。

1月21日 TOEFL結果出る。推薦状の手配を始める。日本の大学の学位証明の手配も始める。

2月4日 UoPeopleから書類が届く。

2月中旬頃 ChatGPTとAIの威力に今更気づく。これからAIがますます強力になっていくなかで、大学院で何を学び、今後どうしていきたいか、これまで漠然とcareer objectiveに書こうと思っていた事柄が、もはや幼稚な戯言に変わってしまったのをようやく理解しショックを受ける。情報系としての今後のキャリアも含めて、真剣に何をすべきか考え直し始める。しばらく準備が手つかずになる。

2月下旬 日本の大学から書類が届く。

3月初め これまでの人生で感じた、情報系とバイオ系にまつわる多くの事を振りかえり、このAIの大波の中で自分が何をしたいか(=世界が今後どうあっていて欲しいか)の言語化にようやく成功し、career objectiveが定まる。

3月上旬 実務経験の弱さ(=あまりCSスキルが高くなく、自分自身ではCS色の弱い研究しかしていない)をカバーするために、履歴書で担当講義科目と指導学生の研究テーマを列挙することを思いつく。改めて整理したところ、学生指導の数が2019年の時点から爆増していただけでなく、内容もバイオ成分がかなり薄まっていて、機械学習を使った多様な応用研究という感じのリストになった*1ので、これはCSの学生とCSライクな研究をしていると言って構わないだろうと開き直る。

3月15日午前1時ごろ 応募する。その後の自動返信メールで、今回の合格通知期間は3月27日の週から5月末までらしいと知らされる。

3月27日 Redditで合格発表の第一陣が届いているのを観測する。

4月初旬~中旬 どうやら今回は毎週月曜日に通知がリリースされているようだが、自分の所にはぜんぜん来ないので駄目だったのかと思い始める

4月24日午後11時 申請ウェブサイトをリロードしたら通知を発見し感激する

 

とりあえず今は入学手続きを間違えないか不安なのと、1年目の成績が悪すぎてドロップアウトしないかが心配でしょうがないです。

  • 易しい科目を血眼になって探してみたり、「でもみんなの言う易しいは自分にとって易しいではない可能性結構あるからな…そもそも新入生は履修登録すごい後だから空いてるところに行くしかないし…」とぼんやりしてみたり、の繰り返し。

*1:この辺、事情を知っている人たちからは「なぜそんな大幅に専門(バイオ)を逸脱した多様な分野を指導できるんだ」と言われたりする。

Graduation from UoPeople

University of the Peopleで3年かけてコンピュータサイエンスの学士を取った

…厳密にはまだ卒業ボタン(Graduate Audit Request)押しただけなので、卒業プロセスが始まったばかりですが。

そんなわけで、巷で度々話題になっている気がする例の授業料無料の米国オンライン大学ことUniversity of the PeopleのCSコースを無事終えました。二つ前の、3年間の振り返りエントリで書いていた最後の2科目の単位が無事に取れたので、合計単位が120単位になりとうとう卒業ボタンを押す運びとなりました。長かった。

  • すべてはこのブックマークから始まった。
働きながら米国のコンピュータサイエンスの学士号を取得する、UoPeopleという選択肢 - Velocity

これはいいなあ。一応今CSの教員だけど大学での専門が生物でCSは独学だから、色々と抜けがあって困ること多いんだよね。ちゃんと大学のカリキュラムに沿って学べるの良い。英語の要件も低い。/さっきenrollしてきた!

2019/12/31 12:17

b.hatena.ne.jp

善は急げと言えども、急ぎ過ぎの感も結構ある。新年の計は元旦ならぬ前年の大晦日にあり…。

  • 確か大晦日の朝にブログ記事読んで、少し考えてすぐenrollしたはず。ほとんど迷ってない。

ちなみに、成績は奇跡的にCGPA4.0で終えられました。

一度目の大学の時は、一年次の数学・物理・化学系の科目に派手に足を引っ張られていたのでふるわなかったのですが、今回はいろいろと恵まれて何とかなりました。

  • 実は、一科目だけ少し点数をおまけしてもらった科目があったり。Analysis of Algorithmsという科目でどうしても完璧にできなかった課題があり、GPA4.0を維持するための点に0.5点足りなかった(92.5以上を取らないといけないところを確か最終得点92.05点とか)ことがあるのだけど、最後の最後で先生が「がんばってたから」と件の不完全な課題の点を少し上方調整してくれて92.5点を越えさせてくれた。結果、そのおかげでGPA4.0を維持して卒業できた。担当だったRupali Memane先生、本当にありがとうございました。

そんなわけで、前回の予告通り今回は履修科目や費用、学習ツール等の実用的な?あれこれを列挙してこうと思います。それ以外の要素、これを書いている人間がどういう属性か&3年間にわたる履修がどんな様子だったかは、前回の振り返りエントリをご参照ください。UoPeopleに入学したモチベーションなどもそちらに掲載しています。

以下、長いので目次。

履修科目・履修順

毎期2科目・6単位固定、15Termをぶっ続けで受けて90単位を積み上げました。残りの30単位は2年目の終わり(2022年1月)に一度目の大学から一括で移行しました。

  • 単位移行の記事はこちら→Transfer Credits (to UoPeople) - Segmentation Fault
    • 他の履修生はSophiaなどの外部スクールで(時間のある時の短期間の詰め込み等で)単位を取って、単位移行をしたりすることも多いようなのだけど、自分はめんどくさかったのと毎週課題をやる方がスケジュールにあっていたのでやらなかった。
    • 結果としてCS必修科目を全部UoPeopleで取った形に。UoPeopleのCSちょっと詳しい。
  • 最初のうちは120単位全てをUoPeopleで取る予定だったので、専門+教養の構成で取っていたが、単位移行で教養や選択科目を埋める事を考えてから(2021年9月以降)は専門(簡単)+専門(難しい)の組み合わせでやりこなした。

各科目の難易度は、正直なところ他の学生から前評判を聞くより、自分でシラバスを見て考えた方が正確だと感じました。実務経験がない自分にとってはSoftware Engneering 1で悶絶したり、簡単(中身がない、古い)と評判のWeb Programming 2でも少し手こずったりすることがある一方で、前提知識があるData Mining and Machine Learning, Information RetreivalやComputer Graphicsは相当簡単でした。

 

Term Course 1 Course 2
2020/1

Online Education Strategies
UNIV 1001

A

Programming Fundamentals
CS 1101

A+
2020/4

Programming 1
CS 1102

A English Composition 2
ENGL 1102
A
2020/6 Programming 2
CS 1103
A Introduction to Philosophy
PHIL 1402
A
2020/9 Computer Systems
CS 1104
A College Algebra
MATH 1201
A
2020/11 Introduction to Statistics
MATH 1280
A Emotional intelligence (EI)
PSYC 1205
A
2021/1 Operating Systems 1
CS 2301
A Greek and Roman Civilization
HIST 1421
A
2021/4 Ethics and Social Responsibility
PHIL 1404
A Software Engineering 1
CS 2401
A
2021/6 Databases 1
CS 2203
A Introduction to Environmental Sciences
ENVS 1301
A
2021/9 Comparative Programming Languages
CS 4402
A Web Programming 1
CS 2205
A
2021/11 Web Programming 2
CS 3305
A Data Structures
CS 3303
A+
2022/1 Databases 2
CS 3306
A Data Mining and Machine Learning
CS 4407
A
2022/4 Operating Systems 2
CS 3307
A Analysis of Algorithms
CS 3304
A
2022/6 Calculus
MATH 1211
A+ Discrete Mathematics
MATH 1302
A+
2022/9 Communications and Networking
CS 2204
A Artificial Intelligence
CS 4408
A
2022/11 Information Retrieval
CS 3308
A+ Computer Graphics
CS 4406
A+

 

必修科目のレビューや、教養科目のレビューはいろいろなところで書かれているので、ここでは敢えて取る人が少なそうなCSの選択科目3つをレビューします。

  • 取った選択科目4つのうち、Analysis of Algorithmsは取る人が多そうなのと、日本語のレビューを他のブログで見たことあるので割愛。まあ基本的にAsymptotic analysisです。ひたすら。

 

CS3308 Information Retrieval

テキストマイニングの基礎みたいなことを習います。教科書はStanfordのIntroduction to Information Retrieval https://nlp.stanford.edu/IR-book/information-retrieval-book.html です。自然言語によるクエリの検索(単一キーワード、ワイルドカード等)に対してどのようにドキュメント情報を保存しておくかや、TF-IDFとかの話が順番に説明されます。最後の2回はWebクローラの話なんかもあります。

この科目の特色として、Programming Assignmentの配点が全体の30点を占めるにも関わらず、回数としては4回しか課されないために1回の配点が7.5点もあって死にそうになるというのがあります。しかもInstructionが曖昧な上に、RubricがInstructionとかみあっていないため、Peer assessmentで採点基準を初めて見て「聞いてねえよー」という事態が頻発します。また、この4回の課題は続き物(一つ目の課題の結果を使って二つ目の課題を作る等)であるのもユニークですが、課題間のバランスがかなりおかしく、1回目はほぼ与えられたスクリプトを動かすだけ、2回目はぶっちゃけ与えられたスクリプトをそのまま提出したり、逆に与えられたスクリプトをガン無視してコードを書いてもRubric的には失点しないという適当さなのですが、突然3回目でかなりの理解を要求してくる(コードを書く量は大したことないが)かと思えば、4回目でまた怪しいスクリプトをテンプレートとして提供される(雑な作りだが一応動くしそれだけでほぼRubricを満たす、しかしちゃんと細かい所を直そうとすると意外と手間)…という構成です。

唯一の救いは、担当の先生がかなり分かっている人で、理不尽な部分は全部あとからの点数修正で何とかしてくれてました。おかげで最終スコアは99.89点で、30科目の中で最高点でした(99点台はいくつかあるけど、四捨五入で100点になった科目はこれだけ)。あとたまたまですが、先生が日本(東京)在住の外国人の方でした。30科目取って、日本在住の先生はこの方だけでした。

個人的には全30科目で一番楽しかった科目ですし、さほど難しい感じもしませんでしたが、ElectiveですしPAの課題がひどいので、テキストマイニングに興味がない人はわざわざ取ろうとは思わないでしょう。

 

CS4406 Computer Graphics

Three.jsというJavascriptライブラリを使ってCGを描いていきます。教科書はいろいろ使ってましたが、基本的にはMITのMooC https://ocw.mit.edu/courses/6-837-computer-graphics-fall-2012/pages/lecture-notes/ をつまみ食いする感じです。Learning Journalがいわゆる学習記録に加え、ちょっとした課題への回答も要求してきます(これが意外と答えづらい質問だったりする)。

また、ほぼ毎週Programming Assignmentがあります(全6回)。Programming AssignmentのプラットフォームはRepl.itで、課題が出来たら公開設定にして取得したURLをMoodleから提出するという変わった提出方法でした(なのでRepl.itに行って適当な検索ワードで検索すると、提出済み課題がわらわら見つかります)。UoPeopleには珍しくカリキュラムがちゃんと改訂されているような感じを受けました(Web Programming 1/2などのカリキュラムの古さに対する悪評はすごいので)。

自分は17年くらい前、大学院修士のときに情報系の専攻のコンピュータ・グラフィックスの講義を(他専攻の講義だけど勝手に)取っていたのですが、基本的には同じことを教えているという感じがします。そのときはPOV-Rayを使ってましたが。

 

CS4408 Artificial Intelligence

AIとありますが、昨今の機械学習を読み替えたようなAIではなく、いわゆる知能がどうとか合理的なエージェントがどうとか、という本来のAIの話をしていきます。 教科書はArtificial Intelligence: Foundations of Computational Agents, 2nd Editionで、第1章から11章あたりをカバーしますが、大変難しいです。ただし、UoPeopleの課題(Graded QuizやDiscussion Assignment等)では、教科書の難しい所まで突っ込んでこないのが救いです。なので、テキストが難しくても絶望せずに、粛々とDiscussion AssignmentとかSelf-Quizを解いていけば単位は取れます。過去にならった探索アルゴリズムなども形を変えて出てくるので、その点は良い復習になりました。

  • ちなみに1000番台や2000番台の科目だと「この教科書だと分からないから他の分かりやすい教材で勉強しよう!」という方策が使えるけども、これとかCS4402とかInformation Retreivalとかは検索しても易しいものが出てこないときがあるので、教科書と真剣に格闘する気合が必要だと感じた。専門書を読むのと同じ感覚。

Programming assignmentは疑似コードを書かせるものが多く、実際に動くものを書けという課題は恐らくなかったはずです。すべて予めRubricが示されているので、それを満たすように素直に書けば問題はないはず。

  • 前回の3年間の振り返りエントリにも書いた、救急車で運ばれて入院した時に取っていた科目の一つ。手術直前までWeek7のPAをやっていたが、あらかじめ公開されているRubricが厳密なのと、あくまで疑似コードなので部分点を狙えてなんとかなった。

費用

UoPeopleに支払ったのは全部で3435ドルでした。ここには30科目分の費用のほかに、入学手続き費用60ドル、単位移行費用255ドル、卒業証書のRegistered mail費用120ドルが含まれています(卒業証書は普通郵便なら無料ですが、安全のためRegistered mailにしておきました)。自分は入学が2020年1月なので一科目100ドルで30科目で3000ドルでしたが、今は120ドルなのでもう少しかかると思われます。

あとは、期末試験(Final Exam)で試験監督を必要とするケースを有料サービスのProctorUで全部まかなったので、その費用がかかっています。合計で185ドルでした。

日本語のインターネットをうろうろした感じ、ProctorUの費用を挙げている人はあんまりいなそうなのでMy Ordersのスクショ置いておきます。値段の違いは試験時間の長さの違いですが、何分なのか具体的に書くと微妙に試験情報の漏洩になる気もするので書きません(また、問題がありそうなら上記のスクショは適宜取り下げます)。

また、Databases 2とOperating Systems 2は同じ科目で追加で5ドル課金されてますが、これはぎりぎりになって試験勉強が間に合わないと感じて試験をリスケジュールしたせいです(直前のスケジュール変更は追加料金を取られる)。金曜日にFinal Exam受けるとか無謀だった。

 

学習ツール・スケジュール

ツール

英作文はGrammarly一択です。一応、Ludwig.guruと、最後の方はQuillbotにも課金してましたが、基本的にはGrammarlyが全てです。GrammarlyのWordブラグインは動作が遅い時があるので、GrammarlyのWebサイトで直接書いて、必要に応じてあとでMoodle(UoPeopleの学習プラットフォーム)なりWordなりに貼りつけたときに整形していました。DeepLは急いでいて英訳が浮かばないときにちょっと使う程度でした。今ならDeepL WriteとChatGPTも使うと思いますが、Grammarlyの一番素晴らしいところはスペルが曖昧な単語を適当にタイプしてもすぐ見つけてくれる&本来書きたかった単語を”guess”する能力が非常に高いところなので、他のツールでは代替不可能だと思います。

Reading materialはPDF Expert(iPad用アプリ)およびWeava Highlighter(Chrome拡張)で線を引いて読んでいました。特に、PDFはiPadで読み込んで、Apple Pencilで線を引きながら読むようにしていたのですが、3年間の最後の方はReading materialにかけられる時間が少なすぎて、横着してPCでAcrobat使いながら線引いてるときも結構ありました。

  • 基本的に、テキストに線を引きながらゆっくり読めば大体覚えられる(普通に読んで大事なところに線を引くのではなく、じっくり読み込みながら色のついたマーカーで一文ずつなぞることで記憶できる)ので、まとめノートなどは一切作らなかった。
  • コースによってはReading materialとは別にVideo lectureなども提供されるが、映像を見るのが好きでないので一切見なかったし、それで支障なかった。

ちなみに、リファレンスはいつも手で整形してました。学割でEndNoteを買ったんですが、どんなに多くても10個に満たないリファレンスなら手で付けた方が速いので、いつもそうしてました。しかもある時からGrammarlyがAPAフォーマットを理解するようになったので、少しだけ楽になりました。

また、数式はGrammarlyの中でLaTeXでばばっと書いて、投稿する際にMoodle上なりWord上なりで整形してました。

  • 今はWordの数式エディタがLaTeXを理解するので、CalculusなんかのWritten Assignmentはその機能で乗り切った(手間ではあったけども、最初から全部TeXで書きたい程の分量ではなかった)。
  • あと、数学と言えば解答自動生成器ことWolframAlphaは絶対外せない。もともとは本業のために課金しているのだけど、College AlgebraやCalculusでは自力で解いた後の確認として役に立った。

1週間の学習スケジュール

大体どんな科目のどんな課題もこの時間に落ちる感じでした(たまにProgramming/Written Assignmentは+2時間くらいかけるときもありましたが)。逆に言うと、それ以上時間をかけられない、かけないとも言えます…。

  • UoPeopleの公式な1週間は木曜始まり水曜終わりだけども、時差があるので日本では木曜の14時5分に始まって木曜の13時55分に終わることに注意。
  • ちなみにUoPeople公式の推奨学習時間は1科目15-17時間。Academic Degree Requirements - uopeople catalogのCredit Hoursのところに説明がある。

 

【余裕があるときのスケジュール:1科目分】

  • Reading Materialを全部読む 2~3時間 土日のどちらか
  • Self-Quizを解く 10分 土日のどちらか
  • Discussion Assignmentをやる 2時間 土日、たまに月曜
  • Programming/Written Assignmentをやる 2~3時間 火曜・水曜
  • Peer Assessmentをやる DA/PAすべて込みで1時間 水曜
  • Learning Journalを書く 2時間 木曜

計 9時間~11時間

 

【余裕が無いときのスケジュール:1科目分】

  • Self-Quizの答えをReading materialやインターネットで探しながら解く 1時間 月曜たまに火曜、ごくまれに水曜夜
  • Discussion Assignmentをやる 2時間 水曜朝たまに木曜朝
  • Programming/Written Assignmentをやる 2時間 木曜朝
  • Peer Assessmentをやる DA/PAすべて込みで30分 木曜朝
  • Reading materialを流し読みしながらLearning Journalを組み立てる 1時間 金曜朝

計 6時間半

 

UoPeopleの大体の課題締切は日本時間の木曜の13時55分、Learning Journalだけ金曜の13時55分のため、余裕がない時の木曜朝の死にっぷりが尋常じゃありません。Written AssignmentやProgramming Assignmentがない時はかなり余裕がありますが…。また、Graded Quiz(中間試験)があるとこれに復習時間を含めた2時間が追加されます。つらい。

  • 一応公式としては、Discussion Assignmentは週の前半にForumに投稿して、後半はForumで他の学生の投稿のPeer Assessmentをしつつ、いろいろやり取りするのが推奨されているのだけど、全然守れず…(うるさく言ってくる教員も実はそんなにいないし…)。一応、罪滅ぼしのつもりで、水曜のぎりぎりに投稿してくるみなさん(大体有用なコメントを貰えない)を対象に、出来る限り長めかつ有意義なコメントを残したつもりなので、どうか許してください。

今後の展開

引き続きコンピュータサイエンスのオンライン修士課程に進もうと思っています。

  • 学部を出てとうとう情報系卒を名乗れるようになったものの、やはり知識が足りていない感じがするのと、もう少しじっくり情報工学の価値観を自分に馴染ませる必要がありそうなので。

とはいえ、UoPeopleに最近できた情報系の修士(MSIT)はコンピュータサイエンスというよりはややITより(Management等の単位も取る必要がある)ので、やはりここは鉄板のGeorgia TechのOMSCS(Online Master of Science in Computer Science)を第一志望にしたいところです。

  • 学費が安くて(ゆっくりやってもおそらく$70k程度で卒業できる)、TOEFLは要るけどGREが要らなくて、しかもカリキュラムが良いという噂。
    • カリキュラムについては、シラバスを見る限りオンキャンパスの科目と同等のものがオンライン用に編成されて提供されている模様。事前情報によれば一応修士研究に類するものも出来るようなので、その柔軟さも良い。
  • 一応、Georgia Techに蹴られたらUIUC辺りを考えたいけれど、学費が3倍なのがちょっと…。UIUCは推薦状が要らなそうなのが良いところなのですが。
    • カリキュラムを見るに、ちょっと簡単すぎる感じも少しする。特にData Scienceの方のコースとか。

とりあえず、先週小手調べに受けたTOEFL足切りライン越えてくれたようなので、3月15日締切のOMSCS出願に向けて準備します

  • R29 L30 S24 W25で108だった。4年前はR30 L28 S21 W23で102だったので、4年間でスピーキングが一番伸びたことに。UoPeopleにスピーキングは存在しないのに何故…?そして3年の間にあれだけ課題で書き物をしたのに、全然伸びてないライティング…。
    • スピーキングにせよライティングにせよ、もう少しちゃんと対策をすればもっと伸びるのだろうけど、前回も今回も練習するのが面倒くさくて事前準備ゼロでいきなり受けているので、こればかりは仕方ない。正直なところ、英語は特定の試験に向かって勉強するのが苦手でやれた試しがないので、TOEICTOEFL、英検等に向けて練習できる人は尊敬します。
  • 早速OMSCSの出願フォーム埋めてますが、学歴欄でUoPeople選ぶとNationally Accreditedなことの警告出ちゃうの世知辛いですね。分かっていても。

    • この「日本の非CS学士+UoPeopleのCS(+弱い実務経験)」の組み合わせが本当にOMSCSに対して機能するのか、Webでは情報を見つけられなかったので恐ろしいのだけど、とにかく頑張るしかない。
    • あとなんか、OMSCSは今期から出願形式変わった?っぽい?いわゆる推薦状や取得学位関連の書類などを除けば、自分が準備・アップロードすべきなのはCVだけで、Statement of Purposeとかもう無いっぽい(Redditでも話題にしている人がいた)。その代わりに、厳しい文字制限のあるすごく簡単なフォームをちょこちょこ埋めるだけになっていて、これはこれでやばい。この辺も後日まとめたい。
      • 「えっもうフォーム埋め終わったんですけど?これでCV上げて、成績証明書取って、推薦状お願いしたら終わりですか?ほんとに?」

【2023年4月24日午後11時追記】無事OMSCSに合格しました。詳細はまた別に記事を書きます。

 

configuration

恒例のような年末更新

つい数日前に更新しておいて、大晦日にまた更新するのはいささか頻度が高すぎる気がするのですが、年末に何かしらを記述するのはある程度恒例な気がしたので簡単に何かを書きます。

  • ここで更新しないとUoPeopleの事しか書かない人みたいになってしまう。別にそれで困るわけではないけれど。

今年自分の身に起こったことは実はひとつ前のUoPeople記事に書いた通りで、アフターコロナ来たので出張多すぎ&激しい腹痛により人生初の救急車呼び+運ばれ+緊急入院+療養+外科手術、で大体尽きています。

  • ちなみに病名は急性胆嚢炎(胆石性胆嚢炎)だそうです。胆嚢取られたけどどうやら別に取っていいやつだったらしい。何その適当臓器。
    • 手術後しばらく、持ちネタとして「内臓のコンフィグレーション変わった」なる台詞を気に入って使っていた。ちなみにコンフィグレーション変わってしばらくはお腹を下しやすい等々不具合があったけども、5週間くらいしたら大体元通りになったので人体はほんとに意味不明。純粋に胆嚢だけが悪かった(=取れば回復)のも運がよかったのだろうけど。
  • そして入院生活の非日常っぷりにめちゃくちゃ大興奮&エンジョイして、一部の人に渋い顔をされる。価値観の違い。
    • いやでもMRIがすごいちくわっぽいとか、それに比べたらCTは笛ラムネじゃないかとか、入院しなければ発見できない事実じゃないですか?それでもってMRIはすごい狭いうえに規則的な機械音がデカすぎるし、その中でテンポを保って呼吸せよとか、音ゲーみたいなことになってるし、こんなの楽しむしかないのでは?CTの造影剤はなんか面白いくらいあったかいし。
    • あと、救急車で運ばれると病院内の地理分からな過ぎて面白い。退院する段になって入院費を払いに会計に行きたいんだけど、そもそもフロアマップが全く分からないとか。

その一方で、この入院生活をほぼ独りでこなした(勤め先である研究室の教授と秘書さんには非常にお世話になったものの、結果として最初から最後まで親族家族は一切関わらなかった)事実も記しておこうと思います。

  • 家族親族が遠方で、かつ独りで住んでるとまあこうなるよね、という実例。職場の人だけが頼り。
    • まあそもそも一人っ子で、かつ片親決定になった時点(10歳)で「独りで生きてってやんぞ」という覚悟を決めていたので、これもまた想定の範囲内
  • ちなみに年末には毎年恒例で学部時代の同期と飲み会を開催している&今年もオンラインで開催したのだけど、自分以外の参加者は全員かなり実家と近いところに住んでいる and/or 助けになる兄弟姉妹がいる and/or 既婚で配偶者と同居しているので「お前ら恵まれてるな!」という態度をとっておきました。別に間違ってはない(適切だとも思わないけども)。
    • 今年の同期忘年会は、小さい子供のいる某メンバーが子供の話をし続けることで割と時が流れた感がある。まあ今現在自分の頭を占拠しているのがそれだから仕方がないといえばそれまでだけども、個人的にはやっぱりそれではなあ、という気もする。
  • 昔、20代前半の頃に結婚願望の強い人が「高熱が出たりするとこのまま死んじゃうのかもと思って心配になる、だから結婚して誰かと一緒に住みたい」と言っていたのを聞いて一つも共感しなかったのだけど、今回、脂汗が出るレベルの腹部の激痛と絶え間ない吐き気の中でUoPeopleの課題をやって、職場のオンライン業務をこなして、ちゃんとシャワーを浴びて身支度をして何とか自力で医者にかかろうとして、そこからどうにも動けなくなって自分でスマホで救急車を呼んだことを振り返ると、我ながら「ああこの人ほんとうに誰にも頼る気がないんだ、そりゃ結婚して助け合うとか理解できるわけないわ」と改めて自覚した。
    • 少し面白かったのは、最初の発症(内臓由来の痛み)のときは気弱になるどころか本気でキレていて「ああああ、くっそ、自分の体が思い通りにならない!!バカ!体のバカ!!」とすら思っていたのに、外科手術を受けた後の痛み(外傷由来の痛み)のときは痛すぎてめげていた点。
      • 入院直後、研究室の教授や親には「病気になって気弱になっているのでは」と言われたけども、全然そんなことはなく、なぜそんなことを言われるのか本気で謎だった。

あと15分で年も変わりますが、来年はUoPeopleを無事に卒業しつつ、入院しないのを目標にしたいところです。

  • ちなみに今回のタイトルは内臓のコンフィグレーション変わったところから。点滴を打たれていた時も思ったけども、人体あんまり開け閉めとか器具抜き差しするようにできてないのがこういうとき不便。


というわけで(ry