イントラスピレーション
昨日の解答はまた少し置いておくとして今日はこの話題を。
富と名誉と権力に対する欲の高低についての考察
富と名誉と権力といえば、大体ワンセットにされて語られる「人の欲望」の典型例ですが、今日はそれについて簡単な考察をしてみたいと思います。
- もともと最近起きた日常の衝突から拾い上げたものに過ぎないので穴も多そうですが、あえて書いてみるテスト。
- 先に断わっておくと、ここでいう欲とは「欲しいと思う心」のほかに「重視する心」「重要だと思う心」も指しています。重要だし重視するから欲しいわけです。
1.富と名誉と権力は分離できるか、相互の変換は可能か
- 富があれば金を使って人を動かせるので、富→権力の変換は可能。権力があれば、人から富を集めることができるので逆も可能。ただし、変換は意図しない限り起こらないので富は権力から分離可能(権力のない富はありうる)
- 富と名誉についても同様。富である種の名誉は買えるし、名誉に対して富を与えることもよくある。名誉→富については意図せず起こる場合もあるが基本的には富は名誉からも分離可能(名誉のない富はありうる)。
- 名誉と権力。名誉→権力は可能だったり可能でなかったり(その名誉を得ることで何らかの影響を他人に行使できるかどうかは、名誉の種類による)。権力→名誉は他者を動かし自分を祭り上げることで可能。分離については、名誉に権力が付随してきた場合、義務である場合を除いては基本的に行使しなければよいので分離は一応可能(権力のない名誉はありうる)。逆側、名誉が付随しない権力は存在するかについては吟味が必要。
- 権力とは他人に何か影響/示唆を与えて人を動かす力だが、人が影響/示唆を受けるためにはそもそも影響を与える側が何かを持っている必要があり、普通は富や名誉がそれにあたる。富を持っている(言うとおり動けばそれを分けてくれる)とか、名誉を持っている(信用できる/重要な人物だと皆に認められているので示唆を聞き入れる)といったことなしに、権力は成立しない(と思われる)。
2.権力の獲得(名誉→権力のケース)と欲のバランス
2.1 名誉欲が強く権力欲がほとんどないとどうなるか
- 何らかのことを成して名誉を手に入れた時点でその人物の欲は満たされる。付属してついてきた権力は使わないか、使う義務があった場合は渋々使う。
2.2 権力欲が強く名誉欲がほとんどないとどうなるか
- 権力を振いたいが名誉を重視していないため名誉をあまり持っていない可能性がある。この場合、変換できずどうにもならない。権力欲は満たされず、欲求不満だけが残る。知らぬ間に名誉を獲得していた場合は問題なし。
- 先に名誉を獲得するべく事を成せるかどうか。
2.3 (おまけ)上記二つのタイプが互いに出会うとどうなるか
- 互いになぜそんなくだらないものを欲しがっているのか理解できない。どちらかが口火を切った時点で、口論になる可能性もある。
3.結論
富による手段を別にすれば、権力が欲しかったらまず欲しくなくても名誉を手に入れるべし。
- ここでいう権力とはいわゆる国家君主クラスのものに限りません。もっとささいな、存在を主張するとか、発言を聞いてもらうとか、そんなものも指して広く権力と呼んでいます。
- ここで前提としている「純粋に権力だけが存在する状況」がもしあるようだったら、ぜひ教えて下さい。
というわけで(ry