イントラストラクチャー
40時間の横たわりの末に、ついに起きあがった自分が今思った事を投げまくってみる。
- 横たわり is not 睡眠。寝転がりながら多少のネットサーフィン&チャットくらいはしてた気が。でも飲食はほぼゼロ。
- 久しぶりに起きあがったら何か血液が頭に回らない。顔が蒼白なのが自分でもわかる。久しぶりの重力で血液が下にたまっているのか、何も食べていないゆえの錯覚か。
- やっぱり食べなくてもいいから水飲むの重要ですよね。次はちゃんと側に飲み物を置いてからやろう。
今日は長いので内容の目次:
- 1.肩書があがるとレベルも上げないと駄目。しかも指数関数的に。
- 2.もし途中でレベルが足りなくなって、落ちこぼれたら実際どう対処するか。
- 3.2の簡潔なまとめ
- 4.日記4周年&過去の自分にとっての「レベル」の認識について断片的に。
一番書きたいのは2ですが1も結構長い…。
起きあがって最初の衝撃
いやなんか本当、時代についていけてない感じですが、「セキララウヱブログ」って2年も前に終了しちゃったんですね。
セキララウヱブログが終了していた件 : フッ君の日常
生命系の現役准教授さん(男性、30歳半ば)がノリノリで日常(研究しかり、家庭しかり)をさらけ出し語りまくる、研究に携わっている人には人気のあったブログでした。
- たしかここから派生して、化学系の雑誌でコラム書いてたりしたような。うろ覚え。
- さらけ出し方が半端じゃなかったのが忘れられないです。研究費申請のための書類10ページ英語でざざっと書いたよ!見てみ!我ながら良い出来だぜ!なんて記事&書類の写真があったかと思えば、うちのM1の学生*1に、論文出すから下書き書いて来いって言ったら日本語だけどちゃんと書いてきたよ!図も揃っててばっちり論文の体裁になってる、いやあやるねこいつは!(もちろんその下書きの写真も掲載)なんてものもあったり。もちろん昼食の話もあれば、子供を遊びに連れてったぜ!なんてほのぼのした話題もあるんですが。
- ここの学生さんはプライバシーゼロだな^^;などと思いつつ、出来のいい学生さんをこうして取り上げるのは、士気をあげる上で(危険だけど)手ではあるなと思ったり。
- 本当、ああバリバリな准教授とすごい学生が集ってるわとしみじみ感心した覚えが。自分がこのラボだったらどうだっただろう、とか(まず生き残れただろうか)。
なんでまたこの話題をはじめに持ってきたかというと、このセキララさんが前に書いていたエントリが、今日の本題の前振りにぴったりだった…のですが、なくなってしまったものはしょうがないので、覚えている範囲で書きます。
ゲーム的表現によるB/M/D/...の能力
セキララさんはウィザードリィ*2がお好きだったようで、あるとき学部生や修士、博士、ポスドク…といったアカデミックでの階段をゲームのレベルにたとえて、こんな風に記していました(以下、記憶から掘り起こしているので多少の間違いはご容赦を)。
- 学部4年生:レベル5。
- 修士:レベル10。
- 博士:レベル25。
- ポスドク:レベル100。
- 准教授:レベル500だったか1000だったか。最強魔法のティルトウェイト何発食らっても死なないとか、裸でAC(アーマークラス、防御力のようなもの。低いほど強い)がマイナス何十(何百だったか)とか。
それぞれのレベルにはまたウィザードリィらしいコメント(どの魔法が打てるようになる、ACがいくつくらい、など)がついていたのですが、自分はあまり詳しくないのでほとんど覚えてません。もったいない…。
- ここで恐ろしいのは、レベルが上がれば上がるほど必要経験値は増える=レベルを1から10にするのと、101から110にするのとでは、全然手間が違うということ。もちろんレベルは上がってるので強い敵=経験値を多くくれる敵をばっさばっさ倒せることは間違いないけれど、それを加味してもレベルが上がれば上がるほど一つレベルを上げるのがしんどくなることに変わりはない。
さて、君のレベルは足りているか
上のレベル表を見たのはたぶん修士の時で、博士になったらレベルを15は上げないとだめなのか、博士を出る時には今の10倍になっていないといけないのか、と、途方に暮れた記憶があります。
- 前の節で述べたように、上に行くほどレベル上げるのがしんどいのに、上げないといけないレベルは増えるわけで。もうね、ネタかとマジかと(明らかに後者)。
そうやって途方に暮れたのも今は昔、もうすっかり博士も終わりにさしかかって、次に行かないといけない今日この頃なのですが、はたして今のレベルはいくつなのだろう、とぼんやり不安に思ったりもするわけです。
レベルが足りていないときの対処〜どうやって切り抜けるか
で、上の研究のことに限らず、往々にして自分の手に余ると思われるあれこれが降ってきたときにどう切り抜けるのか、そして集団の中で落ちこぼれてしまったらどう振る舞うのがいいのか、過去の経験から適当に推察してみます。
- 過去の経験は主に人に物を教える役をやっていた時の数学・物理*4の話と、自他共に認める運動神経のなさで断トツ落ちこぼれだった体育の話がベース。この二つは明らかに落ちこぼれてたし、大いに苦労した&前者は一応お仕事としてやっていて、ただ問題をスルーしてたらそれこそクビだったので、色々あがいてました。
- あくまで自分の経験&自分に出来る範囲で考えているので、もっと面白い/効果のあるやり方がきっとあると信じつつ、適当に列挙。
1.まず本当にできないのか、落ちこぼれなのか、見定める。
- 上の人がうっかり超人だったり手加減知らなかったりすると、出来るだろうと思って仕事投げつけられたり、相対的にダメな子にされたりするので、そこら辺見極めるつもりで。基本は年の近い先輩後輩と、同期を見ながら判断。
- 自分の経験こと数学物理とか体育とかはその辺クリアですね。高校のスポーツテストで学年最下位とかね(運動神経というより身体能力に問題がある気がしてきたorz)
2.本当にダメそうなら、挽回の手を考えつつ明るくダメな子アピールに入る
- これが多くの人のやっていることなのかは全く自信なし。自分は大体そうしてるなあと。周りに対して自分実はこれ大変苦手なのです、出来ないのです、すみませんとアピールしまくる。いわば予防線。
- なるべく明るく、平謝りな調子の方が聞いた側の印象は悪くならないと予想。同じ言葉でも無表情でできませんと言われたらさすがに。
- 昔、物を教える役をやっていたとき、ダメな子アピールしてくる相手と、そうでない相手とではやり易さが圧倒的に違ったのもあったり。口先ででもいいから言ってくれれば、それを踏まえて対処もできる。見えてない&分かってても認めたがらないと、こっちも本人が言うのならと思って任せる&失敗してきて叱咤せざるを得ない→最終的に関係の悪化につながるので。
- 「出来るという」→「信じてやらせる」→「出来ない」→「信用ダウン&叱咤」→「今度は出来るという」以下信用がゼロになるまでループ。
- あとは、自分自身教える側にいたとき、東工大という大学名が邪魔をして「数学とか物理とか教えれ」要請が多くて非常に弱って全力ダメな子アピールをしまくってました。その時の切り札は「うーん、すみません、自分は生物が専門なんで数学とか物理はちょっと」。
- 言われましたよ受験科目に数学と物理あったでしょうとか。いえ自分は後期なんでとか言ってかわしましたが。っていうかむしろできなくても英語と化学と運があればうかるんだと思って頂きたく(到底無理な願い)。
- それでもなお大学名でもって「数学出来る人々の数学勉強会」とか混ぜられたこともあるのですが、仕方がないのでひたすら即死し続けました。同じ大学のいくつか学年の下の人が超かろやかに難関大学の入試問題を解く横で、一文字も書けずに固まったりなんて余裕です。泣きたくても超我慢。だって自分数学物理ダメな子だし、そもそもダメなのに東工大とかうっかり入っちゃった自分がいけないんだし。ダメさに呆れられて放置されるまでとにかく即死。
2-1.挽回の手:克服か、得意アピールか、全力回避か
- 克服してダメじゃなくなるのが一番簡単だけどそれが出来たら苦労しない訳で。教える側にいたときは一応努力はしてましたが。やさしめの数III問題集解いたりとか(気が遠くなるほど出来ない人の、傍からは到底やったと見なされない&努力したとアピールするのもはばかられるくらい低レベルな努力)。
- 上の勉強会にしたって、家で解いてくるようにと問題を渡された時は必死になって出来る限りやってきたわけですが。でもまあその場で解くのはさくっと即死。
- ダメな子アピールに、自分これは得意なのです、これだったらいくらでもやります、なる出来る子アピールもつけないとお前は一体何ができるの状態になってさすがに顰蹙。教える役のときは英語と国語と化学なら全学年&いかなる入試も対応ってな感じでプッシュしまくっていた思い出が。
- ちなみに、駄目な子アピールで「生物が専門」を連呼しすぎたせいで生物を教える羽目になってうひゃあどうしようになったことも…。大学で生物やってますが、高校の生物は1年間しか履修してないので全然知らんのです。でもまあ、数学物理よりまし&今後売りに出来ればと思って参考書買ってきて一通り勉強しました。用語集さえ全部覚えればセンターくらい余裕なのが悲しい。
- あとは即死する状況をなんとか回避するとか。自分の場合は数学物理教えるのをひたすら断りまくったり、例の勉強会にはその時間帯に他の用事を入れることで参加しなくてすむようにしたりした記憶が。しかし必死だな自分。
2-2.ダメな子アピール:どれくらいダメか
- ダメと言ってもこれくらいはできますよアピールも重要かと。しかし出来るレベルが低すぎると何もできないのと同じと見なされるので諸刃の剣。数物のときは、一応数IA・IIBはそこそこ出来てたのでそういうアピールをしたり。さすがに数学まるっきり出来なかったら大学うかりません。でも数IIIがね、もうねなんかね理系なのにね(ry
- 基本はできませんと言った方が、あとからちょっとでもできると好感もたれるというのもあるかも。最初の印象は若干低めに持ってもらった方がいい、と個人的には思う。
2-3.即死するときの態度:「ダメな子ですみません」
- これは体育の授業でチーム戦やったりするときにいつもやっていたような。明らかにチームの足を引っ張ってるので、存在しててすみません状態で参加。ミスしたら謝り、ミスしなくても謝り、始めと終わりに謝る。いやだって申し訳ないでしょう、出来なさすぎるのが。やっても出来るようにならないから尚たちが悪い。
- 上で書いた数学勉強会でも、その最中はとにかくじっとして目立たないようにしてた記憶が。ダメな子は申し訳なさそうにしょんぼりと即死。到底何か言える立場じゃない。
- さすがに会の最中にできませんアピールするとただの言い訳なので(ry
- 普段のダメな子アピールも言い訳といえばそれまでだけど、事態が迫ってくる前にあらかじめ予防線を張っておくという意味ではそこまで言い訳がましくならないと信じたい。
- ここの即死の時の態度については何が最善なのか実は難しい。自分はどうしても黙ってしまいがちだったけど、本当は目立たないようにしつつ明るくダメな子(半分アホな子)するのがよかったのかもしれない。しかしそれには自分の場合パワーがいる。
- あ、でも、隣で完璧回答書いてる人とか見た時は普通にわーすごいーとか無邪気に反応した気もしてきた。記憶が曖昧。
3.それでもどうしようもないとき→場を去る
- 最終手段はそこから去ること。どう頑張っても即死の状況を回避できないとか、得意なものをアピールしてもそれ間に合ってるからと言われて無駄に終わったりとか、対抗策が尽きたらもう自分のレベルにあったところに行くしかない。次の場所ではうまくいくと祈りつつ…。
レベルに下駄を履かすことについての考察
- まずは特殊技能。ほとんど何もできないけれど、この人にしかどうしてもできないという何かがあれば、その場に存在できる。
- ただし、本当にそれ以外何もできないと、その特殊技能以外のことについては即死しまくらないといけない訳で(ry
- なんというか、この辺でよく揉める気がする。つまり、その特殊技能が必要不可欠=自分自身が必要不可欠とすり替わってしまって、本来自分があらかたダメな子であることを忘れて即死するとき文句言う、とかいうパターン。書いててあまりのありがちさに驚き。
- あとは月並みだけど人間関係能力。まわりと超仲良くできるとか、上に超好かれているとか。しかし後者はときにまわりから反感を買うので全くお勧めできない。
- まわりとよくコミュニケーションがとれる、その人がいるだけで場が明るくなる、そういう人はそれだけで必要とされることも多いような。その逆もしかり。
- 正直レベルなんて往々にして人間関係でどうにかなっちゃうと思えるのは、ペーパーテストで厳密に点数が決まる世界をとうに過ぎてしまったからだと思われる(そういう意味では大学の3年くらいまでは本当楽だった。だって点がとれそうな科目で、興味にまかせてテストなりレポートなりやれば周りがどうあれそれなりな点数が出るんだもの、こんな楽なことってない)。
よくわからないまとめ
自分が考える「レベル足りてないけどしがみつくときの方針」は、いかにレベルの足りなさを隠すかじゃなくて、いかに信用を落とさないか、が全てなのだと勝手にまとめる。
- 隠したっていつかはばれる。ちょっとの差ならまだしも、かなり足りてないときは隠すのだって難しいはず。だったらからりとダメをさらけ出す方がよっぽど好感持たれる可能性大。
- あと、対抗策以前にダメな子アピールしても本当に駄目なときもあるわけで。あくまでどれだけしがみつけるかという話。そこまでしてしがみつきたいかどうかは今は問題にはしない。
過去から抜粋的追記
どうでもいいけど今日工大祭だ…。
- まさか学生の間に行けなくなる日が来るなんて思ってな…くもなかった、実は。指導教官の任期知ってたし、M1の頃から、実は。
- 今日が工大祭という事は、この日記を始めてちょうどX年とかそういうやつですよ。
- ほぼ今日で4年(うち1年抜けているので実質3年)。
過去の10月下旬を見返していたら、多少おもしろい記述があったので自分のためだけに置いておきます(2006年10月23日の日記)。
日記を始めた2年前はM1でした。
emission - へぴゅーNT/というわけで(ry
今から2年後はD3になるはず。
そして今D1。
こうして並べると、非常に悲しいものを感じますねいや本当に。
何がって、この2年間が修士の2年間とほぼ対応している辺りが。
戻れ修士時代(無理です/ぐだぐだ言ってないで今目の前にある博士時代を何とかしてください)
まあとりあえず時間経過的には目の前にある博士時代をなんとかしましたよ>2年前の自分。
本当にいろいろなプレッシャーがあったけれど、途中で脱落せずにD3になりました、ええ。
尋常じゃない気分で過ごした日々が多かったものの、Mより実りある2年間でした。
まあMの2年間の方が楽しかった*5ことは全く否定できませんが^^;
ちなみに、上で話題になっている2年前の2年前こと4年前(2004年10月26日)はこんなことを言ってました。
うけ狙いかよ人生は。 - へぴゅーNT/というわけで(ry某氏の毒より
>自分のことは研究者として全て自分で出来る、それがDの条件かと
Mも求められているレベルが低いだけで、似たようなもんだと思うのだけども…だめ?
もっと言えば、別にMとかDとか関係なく人間社会どこを見渡しても多分そんな感じで。
すべて自分で出来るのでなければそれを志すのは無謀、と断言してみる。
すべて自分で出来る、は当然何をもって出来るとするかによる&上に述べたように状況によっては不得手なものを回避しないといけない時もあるけれど、その気概自体は今でも重要だと思う。
- このDの条件言った人が誰だったか覚えていないのだけど、おそらく同期だろうから、その時修士(M1)のはず。M1の台詞だけど大変的確。毒吐いてた中にあったのかもしれないけど、この台詞そのものは全然毒になっていない。
- 4年前と変わらず、自分のレベルが足りているのかをやはり不安に思う。思わずM1の自分を呼んできてどうよと言いたくなってくる*6
- ただ、おそらくレベルを気にしなくなる日はきっと来ないし、来てもらっても困る。
大いに追記:
ちょっと思いだしたので、指導教官から間接的に貰ったメールの中から抜粋&改変。
博士課程の学生にとって、自立できるかどうかが勝負です。
指導教官が見捨てるとか、そういうこともありません。
研究を進めるのに必要な材料・道具・場所は研究室にすべてあります。
もちろん、データが出てきて面白そうであれば意見は言います。
でもそんなものです。
それで自立できた人がゆくゆくはPIになっていくのだと思います。
「自立」=「自分のことは研究者として全て自分で出来る」
4年前のあの台詞は何も違わない。今更だけど。
そういえば、40時間ほど横たわっている間に、自分はDにふさわしいだろうか、自分はDを取るのに値するだろうか…ということを考えながら、ところどころ眩しい明かりのついた夜の街をうろうろしている夢か幻覚を見たのを思い出しました。
- 思い返すと、多分あれは4年前の学会で行った京都の街並みだった…気がする。
というわけで(ry
*1:確かB4じゃなかったと思う…けど、自信がない。少なくともM2ではなかったはず。
*2:簡単に言うとキャラのレベルを上げまくりながらダンジョンをどんどん下まで降りて行ってラスボス倒そうというゲーム。大雑把過ぎる気もするけどきっと間違ってない。とここまで書いてNetHackがやりたくなってきた。
*3:まあ、この手の話はどこでも聞きますが…。実験の人とかだと特に実験の種類で得意不得意が分かれたりして「あいつは一発でデータを出すのに何でお前は10回やって全滅なんだ」とか
*4:この二つは半端なく出来ない
*5:修士は本当お気楽でしたねえ。なんか学年が1年生にリセットされるし、気分転換に授業に出てみたりとか、暇な時は同期とだべったりとか
*6:しかしM1にD3の評価ができるのかと言われると微妙。あーでも多分がっかりされるな、なんとなく。そうでなければ無駄にD3すげーすげー言われるか。いやお前のすげーはなんの当てにもならないから>よくわからないけど多分自己ツッコミ