はてなダイアリーでは「へぴゅーNT/というわけで(ry」だった何か。
まとまった文章が中心。日々の短文はmb(ryにあります。

bisector

今日はまたもや乗り遅れ気味にはてな匿名ダイアリーのこれを取り上げてみようと思います。

就職して稼いで税金をおさめるわけでもなく

主婦になって子供を生んで、働く夫を支えるわけでもなく

女なのに研究者なんか目指して

しかも役にも立たない文系分野で

28にもなって大学院生まだやってるなんて

生きてる価値あるの?


みたいなことを、すごくきつい口調で知人に言われた。


論文明けであんまり寝てなくて疲れてたから「さあ?」って答えてスルーしたけど

いったいあの知人は何を憎悪してそんなこと言ったんだろうか。

さっぱりわからない…。

いま私と同じ28歳で、高給取りの旦那と結婚して自分もある程度仕事も続けてて、

しかも子作り中だっていうんだから、それで十分じゃん、って思うんだけど…

今日わけがわからないことがあった


反射的にこれ思い出しました↓

私の数少ない女友達と一年半ぶりくらいに会ってお酒を飲み交わした。その子は相変わらずで3時間ほど一緒にいて後、やっぱりどっと疲れた。一番疲れた原因は、「私は世間的に偉いと言われている男性に好かれているということが、女の価値だ」という考え方を絶対にやめないことににある。
(中略)
ちゃんと自立して生活し、やりがいのある仕事をしているはずなのに、男性にしか自分の価値を見出せないなんてやっぱり私には理解できない。あまりに理解ができずに悲しくなってきて彼女と別れた後意味も無く少し泣いた。

http://d.hatena.ne.jp/Eurema/20060310/1142064429


第一印象:世間はある種のループで満ちている。

  • 多分、性別とか人生の意味とか価値とかにこだわらないようにすると一気に問題解決だと思うんだけれども、どうだろう。
    • 意外とみんな男であること女であること&自分の人生の価値のようなものを意識しているのだよなあ。すごく不思議だ。

それと、最初に引用したのは「大学院生と非大学院生」の構図なのですが、当の大学院生の中でも意外と上の「知人たち」のような価値観を持ってる人は多いような気がします。

  • 実はこの前、某夏の学校で「素敵な人と結婚して一緒に幸せに暮らす!」ってな将来設計をうれしげに語る人を初めてこの目で見て驚愕した。しかも、そういう人たち(皆さん大学院生orポスドク(女性))がかなりの人数並んで価値観を共有し合っていたのでますます驚いた。
    • あのとき、「わけがわからない」を通り越して、うっかり『つまんねー』という感想を絶叫として漏らした(謎)ことをその場にいた人たちは目撃した(はず)
    • いや、普段なら「ああ、そういう考えなわけですか(自分は全く面白いと思わないけど、どうやらこの国全体ではそれが一般的らしいね?くらいの気分で)」とか言って対応するものが、あまりにもみんな【揃いも揃って当然のように*1】「結婚!幸せ!」を強調するのでついね、うっかりね(爆)
  • 多分、向こうから見るとこっちの方が驚きであり、『つまんねー』なのだろうな。
    • まあ、自分の価値観のあれこれが世間と直交してるのは今に始まったことじゃないとして。


…思った以上に上の話題が長くなったので、
先日のセミナー後飲み会で話題になった
「生物物理は生物と物理か、それとも生物物理か」
は、また次の機会にでもちゃんと書きます。

  • 「自分は生物でも物理でもなく、生物物理以外の何物でもない」と主張する人と、「生物物理/生物化学をやる人は、必ず生物か物理か/生物か化学か、どちらかに力点を置くことになるのでは」と主張する人。
    • 生物と物理にコンプレックスを抱えながら生物物理にたどりつく話はかなり興味深い。自分と比較するともっと面白い。
  • そして自分から見ると、生物物理業界にいる人はおしなべて本人の言う力点/やってる課題とはまた別に、生物語か物理語のどちらかを喋ってるんだよな、とかそういう。
    • 生物物理語なんてものはない。そう見えるものはすべて「物理語の生物地方の方言」。そして生物学に物理地方なんてものは存在しない。
  • にしても、こういう話題がさくっと議論できる環境って素晴らしい。


というわけで(ry

*1:自分の暴走スイッチが入るのに十分な条件。特に「当然のように」言われるとスイッチ入りやすい(と、ここまで分かっていても自分では暴走を止められない)