Transfer Credits (to UoPeople)
UoPeople途中で単位移行してみた
普段はあまり役に立つことを書くようなブログではないのですが、先程、2年ほど前から通っているオンライン大学UoPeopleにかつて通っていた日本の大学の単位を移すということをやってみたので、情報として放流してみます。
最近増えてきた、日本の大学の単位をUoPeopleに移すブログ記事と大きく違う点は
辺りかと思います。
特に、多くの人が入学直後に単位移行をした結果を記しているので、自分の「途中まで普通に履修してから単位移行するとどうなる」な例は意外と少ないんではないかと思います。
そんなわけで以下、他のブログで明記されない&実際にやってみて気づいた点を列挙しておきます(単位移行のやり方については詳しい記事が他にたくさんある*2ので、ここでは細かい手続きは省いて気になった点だけ記載します)。
- 事前情報通り、成績評価機関としてはUcredoが恐ろしく速い上に安い(1通$180)。成績証明書のデザインにもよるらしいが、基本的には自分でスキャンした成績証明書PDFをアップロードすれば良いだけ。自分の場合は12月27日夜に手続きして、1月1日の午前4時ごろに結果のメールが来た。アメリカに年末休みが無くて良かった。
- UoPeople側の評価も非常に早い。Ucredoの評価PDFをアップロードして2日で(1月3日に)単位移行の準備が出来たとの連絡が来た。UoPeopleに正月は存在しない(科目を履修している学生なら誰でも知っている事実)。
- 本来の単位数から変更されることがある。評価機関(Ucredo)側でも、UoPeople側でも。
- Ucredo側の変更:自分の場合、大学の講義を受けるのが楽しくて仕方がなく教養の文系科目や他学科の専門科目を色々履修していたこともあり、卒業までに156単位取っている。これが総単位数が120単位強になるようにスケールされた模様。非常に腹立たしい。
- 基本的に卒業要件を満たすよう、残りの単位にあわせて詰め込まれる。なのですでに取っているところには当てられない。
- 線形代数学(Linear Algebra)の単位を2科目4単位持っているのだけども、College Algeblaを持っているせいか全然単位移行の対象にならなかった。また、生化学(Biochemistry)も2科目4単位くらいあるのだが、Introduction to Environmental Sciencesを持っていたせいか、やはり全く対象にならなかった。
- ちなみに、UoPeopleの担当者(Program Advisor)に詳細を要求すると、こんな感じでどのカテゴリに何単位分充当したのか情報を貰える。逆に自分で情報を聞き出さないと何の単位がどこに行くのか分からないので注意。
- 60点の単位(Ucredo側でC判定)も普通に単位移行の対象となる。
- 自分の大学は点数制&60点が単位取得最低ラインで、成績証明書には落とした単位が記載されない。そしてUcredoの変換スケールは60点台がC、70点台がB、80点以上がAだった。つまりDもFも存在しない成績表になる。単位移行では点数は関係ない(移せるのは単位数のみで成績は関係ない)が、大学院に出願する時にこれだとGPA爆上がりなんだが大丈夫なのだろうか?
- UoPeople側での移行可能科目の選び方は不明。1年次より2年次の科目が重点的に選ばれた感じがするが、理由不明。
- 一応、専門科目っぽいものを選び出している感じがする。でも図学(Descriptive Geometry I)とかも普通に対象となっていて不明。
- 良くわからない名前の科目より、中身が想像できる科目が選ばれやすい?
- 明らかに同じ名前の科目が選ばれにくいようになっている。たとえば生物学第一(Biology I)と生物学第二(Biology II)を取っていても出てくるのが第一だけだったり、心理学(Psycology)と人格心理学(Personality Psycology)を持っていても後者だけとか。
- そのくせ何故か分子生物学第二が2つに分裂している(下のリスト参照)。似たような名前の科目として、分子生物学第一、分子生物学第二、分子生物学(何もついてない)を取っているので、UoPeople側がなんかミスしたのでは?という気がする。
- 実際には1単位の方だけを単位移行に使ったのでズルはしてません。
- (追記)移した単位は1日程度で完全に反映される模様。移行手続きをして料金支払いをした時点でUnofficial Academic Report(科目と成績リスト)には即時反映されるが、卒業条件判定ツール(Degree Audit Report)や、ポータルサイトのログイン直後に表示される総単位数などに反映されたのは約20時間後だった。
ちなみに、移行可能な単位リストとして提示されたのは21科目42単位でしたが、これはすでにUoPeopleで人文科学(Humanities)・社会科学(Social & Behavioral Sciences)・理工系(Natural Sciences & Technology)の科目をそれぞれ1科目ずつ計9単位分、さらに基礎科目(Foundational Requirements)にあるCollege Algebra3単位もとってしまっている状態での単位移行だったからで、この辺を取ってなければ+12単位されて54単位くらい移せたかもしれません。
- 上記の「同じ名前っぽい科目は出来る限り2度使わない」が発動すると人文・社会系はフルに足りたかちょっと怪しいけど、少なくとも理工系3単位は間違いなく充当されたはず。
- UoPeopleでの他の教養必修科目(EthicsやCivilization StudiesやStatistics)は該当する科目を持っていないので無理だった気がする(ちなみにどれも単位取得済み)
- ちなみに全部移すのではなく、30単位分だけ選んで移した。
- 必修以外にも取りたい科目がいくつかあって、それをElectiveに充当する予定なので33単位全部を埋める必要がないため。
- なので、何にも考えずに全部移す、というのは実は賢くない。ただ、移行には1科目につき$17しかかからないので、無駄になるお金はわずかではあるけど。
ついでなので、移行された科目&単位数リストも載せておきます。最初の3カラムがUoPeople側から提供された情報で、日本語名と本来の単位数を足してみました。
- 個人的には、教養科目の社会学基礎がElectiveに行っているのに、社会工学科の専門科目(経済システムと政策論)が微妙に文系科目に充当されているのがなんだかねえ、という感じ。自分の大学の英文成績表にはどれが専門科目でどれが教養科目なのかが記載されないので、科目名から判断する以上は仕方がないのだけども。
- あと、なんでか微分積分学第一(Calculus I)がCS専門科目のCalculusにカウントされなかった、ので移行しなかった。内容のレベルとしては日本の大学の方が上なんですけどねえ…。
Course approved as (UoPeople) | Courses approved | Credits | 日本語名 | 本来の単位数 |
---|---|---|---|---|
External Transfer Different Discipline 1 | Organic Chemistry II | 2 | 有機化学(生命科)第二 | 2 |
External Transfer Different Discipline 2 | Molecular Biology II | 1 | 分子生物学第二 | 2 |
External transfer elective 1 | Graduation Thesis | 6 | 卒業研究 | 8 |
External transfer elective 10 | Physical Chemistry II | 2 | 物理化学(生命科)第二 | 2 |
External transfer elective 11 | Molecular Biology II | 2 | 分子生物学第二 | 2 |
External transfer elective 12 | Fundamentals of Bioinformatic Engineering | 2 | 生物情報工学基礎 | 2 |
External transfer elective 13 | Advanced Life Science Laboratory I | 2 | 生命科学総合実験第一 | 4 |
External transfer elective 14 | Macromolecules | 2 | 生体高分子学 | 2 |
External transfer elective 15 | Laboratory Seminar I on Biological Information | 1 | 生命科学L1ゼミ | 2 |
External transfer elective 2 | Foundation of Sociology | 2 | 社会学基礎 | 2 |
External transfer elective 3 | Calculus I | 2 | 微分積分学第一 | 2 |
External transfer elective 4 | Basic Biology A | 2 | 基礎生物学A | 2 |
External transfer elective 5 | Descriptive Geometry I | 2 | 図学第一 | 2 |
External transfer elective 6 | Basic Biology B | 2 | 基礎生物学B | 2 |
External transfer elective 7 | History of Architecture I | 2 | 建築史第一 | 2 |
External transfer elective 8 | Basic Theory of Economics | 2 | 経済学の基礎理論 | 3 |
External transfer elective 9 | Biology I | 2 | 生物学第一 | 2 |
External transfer humanities 1 | History I | 2 | 歴史学第一 | 2 |
External transfer humanities 2 | German III | 1 | ドイツ語中級 | 2 |
External transfer Social * Behavioral Sciences 1 | Economic System and Politics | 2 | 経済システムと政策論 | 2 |
External transfer Social * Behavioral Sciences 2 | Personality Psychology | 1 | 人格心理学 | 2 |
追記:
無事に移行した科目がDegree Audit Reportに反映されたので、部分的にスクショを載せてみます。UoPeopleと混ぜて取ってると大体こんな感じになります。
- 昔過ぎて科目にコース番号がついてない時代の人なのでN/Aになっている。
- 移した科目は成績部分がTCとなってGPAには反映されない。少しでも低評価を取る可能性を減らすために単位移行をするという考え方もありそう。
ちなみにウェブで出力できる非公式な科目と成績リスト上では移行元の大学名が載ります。正式な成績表でも載るのかは不明。
- 最初の2行はUoPeopleの入学直後の見習い期間(Non-Degree Seeking Student)時代の科目。
- 他大学からの移行科目はTermがUndefined nullなのがちょっと気になる。せめて取得年くらい移してもいいのでは。
以上、UoPeopleへ単位移行を考えている方の参考になれば幸いです。
というわけで(ry
*1:持っているのは54単位だけど、昨日今日で2科目分のFinal Examを終えたのでこれで60単位になるはず
*2:一番有名どころはサクライパンダさんの 【保存版】UoPeopleに編入後の単位移行の手順・費用・交渉の仕方 | サクライパンダのブログ だけども、他にも犬野ぷうさんの 単位移行(Transfer Credit)#UoPeopleネタ : 犬野のブログ も参考になる。Ucredoを知ったのもここ。理系の人の詳細な移行記録・科目リストとしては平八郎さんの 【単位移行】University of the People③|平八郎|note があって、自分はこれを見て単位の対応付けの様子をつかんだ(ただし成績についての記述は正確ではない)。ちなみに、点数制の大学から単位を移行した場合の例&いつ単位移行の結果が出るのかはみなみさんの 【51単位GET!】Transfer Credit 手続き|UoPeople情報 | Buenos Life | 南米アルゼンチンの情報発信ブログ に情報があった(ただし単位数についての情報は正確ではない)