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frozen

最近の話題から(主に学振PDの内定ゼロの件について)

そんな訳でこちらでは中間選挙が近い(明日?)らしく、TeaPartyがどうのというのを連日テレビでやっておりますが、選挙権のない自分は「うっかり間違えて茶道のお茶会の事をTea Partyと言わないようにしなくては」とか「けいおん!に出てくるのはティータイムだったな」とかその程度の関心しか持てないので難しいところです。


で、個人的に大きな話題だと思われるのは、毎年この時期に発表される、日本学術振興会の特別研究員PDの審査結果の発送が予算編成の影響を受けて遅れている件、平たく言うと「学振PD内定ゼロ事件」です。

  • 例年のタイムラインとしては5月末位に書類提出、10月末に結果発表(面接免除採用、面接、不採用のどれか、面接免除ならめでたく採用書類が送られてくる)、11月末くらいに面接組の面接、12月末に面接通過組の採用書類発送、2月頭に(もしあれば)補欠採用の書類。

さて、以前所属学会からパブリックコメント関係でまわってきたメールにて知ったのですが、来年度予算において学振の特別研究員のうちポスドク分(学振PD)の予算は要望枠という「査定次第では吹っ飛ぶ」部分の予算なのだそうです。

  • ポスドク枠をPDと呼ぶのに対し、博士課程に在学中の学生向けの特別研究員制度はDC、または学振DCと呼ぶ。基本的には同じ制度だけども給料の額が違う。あと採択率。
    • 最近だと確か採択率は3倍くらい違うはずで、DCの方がずっと通りやすい(ポスドク冷遇、博士学生優遇路線の一環と思われる)。
  • 以下、所属学会からのメールを抜粋。日付は10月3日付。タイトルは「学振特別研究員(PD)がなくなるかもしれない!」

日本生物物理学会会員の皆様


既に、皆さまには来年度予算の政策コンテストへのパブコメへの対応をお願いしたところです。
文部科学省の要望枠について、重要な説明をしておきたいと思います。


学振の特別研究員は、DCに関しては全て要求枠、PDに関しては全て要望枠で出されています。
したがって、要望枠の1908 我が国の強み・特色を活かした日本発「人材・技術」の世界展望 が、ゼロ査定になると特別研究員(PD)は来年度以降募集がなくなるという極めて深刻な状況になっています。


仮にゼロ査定になると、PD継続分は要求枠のDC分から出すことになり、その分DCの新規採用も減ります。

で、どうやら予算がどうなるかわからないからか、今年は例年内定が出ている10月末になってもPDだけは内定が出せないという異常状態が起こっているようです(通称:学振PD内定ゼロ)。

…いろいろ批判が出ているのは分かるんですが、これまでも要面接の方の結果発送は予算成立後、補欠採用は補正予算通過後と「(内部的にはともかく)外部への発表は予算成立の後」を守ってきた事を考えると、怒りの矛先は学振ではなく予算を早く決めさせない政府の方に向けた方がいいんじゃないかと思っています。

  • うん、補欠採用だった身としては、2007年の初めごろは補正予算がスムーズに通らなかったらどうしようって毎日嘆いてましたよ。合否はともかく、早く結果が出て欲しかったので(そうしないと来年度の為の手が打てない!)。
    • こうした事実を踏まえるに、きっと学振の中ではもう全部決まってて、後は発送するだけなんだとは思うのですよ。でもひっくり返ったときに取り返しがつかないから控えているだけで。そしてひっくり返しかねないのが今の政府の流れでして…(あのスパコン仕分けからもうすぐ1年…)。
  • もちろん、そもそも学振PDを不安定な要望枠に「格下げ」した文科省が一番よろしくないのは当然なのですが。でもその要求枠だか要望枠だかの枠組みを持ってきたのは誰なんでしょうか。もう訳がわかりませんよ。


この件について、最も悲観的なビューの例:http://viking-neurosci.sakura.ne.jp/blog-wp/?p=4772

  • 「PDの代わりにDCをどうにかできなかったのか」に対して、全く個人的な意見ですが、ここ数年間(平成19年度〜)で猛烈に採用比率を増やしてきた特別研究員DCをどうにかする事は不可能なんじゃないかと(そもそも上に書いたとおり枠が違う)。それこそ仕分け等が入る前からの方向性として、博士は拡大方向ってことで固まってしまっているような。DCの拡大がいい事はどうかは別として、ここで急ターンされてもそれはそれで博士学生にとって大迷惑極まりないことだけは確か。


というわけで(ry